- 富士を見ながら静岡平野へ -
【公式案内】 | 静岡県観光公式 > 東海自然歩道 > I 満観峰・びく石エリア |
【コ ー ス】 | 宇津の谷入口バス停~明治のトンネル~道の駅宇津ノ谷峠~満観峰(470m)~花沢山(449m)~JR用宗駅 |
【距離高度】 | 約13km、60m-120m-60m-470m-5m |
バイパスコースで稜線漫歩が楽しめる……は流石に言い過ぎかも知れません。
ただし、その稜線上で時折開ける景色が青々とした駿河湾だったり富士山だったり。この展望を求め、満観峰には季節を問わずハイカーが訪れます。
一方、旧東海道の隘路もあって、多彩。
公式のコース案内ではバス停と明治のトンネルが逆になっています。間違い……ではなく、バス停から蔦の細道を通っていったん坂下地蔵堂に進んでからコースに合流、明治のトンネルを潜って宇津ノ谷に向かうという周回コースが想定されているようです。コース長13kmにこのアプローチ区間は含まれないので時間不足に注意。日本坂トンネルの廻り沢口バス停を起点にするのもありです。
もう一方の起点はJR東海道線の用宗駅。2駅で静岡駅ですのでアクセスは楽。
明治のトンネル
は、志太平野と静岡平野を繋ぐ道の1つ。明治というからには大正のトンネルや昭和のトンネル(2本)、そして平成のトンネルもあります。令和のトンネルは造られそうもありませんが……。
ちなみに明治の前の道は旧東海道で、もちろんトンネルではなく峠越えの道です。その前は蔦の道、さらに昔は満観峰の南にある日本坂峠が東西を結ぶ道でした。
――このように過去からの道の変遷が見られるという珍しい地です。この明治のトンネルには宇津ノ谷の観光客が足を延ばすことが多いようです。
宇津ノ谷
の集落は旧東海道の鞠子宿と岡部宿の間の宿。狭隘な山あいに細長く伸びた風情ある家並みは旧東海道では貴重なものだと思います。ただ、あまりにもスポット的なので、観光客が大勢訪れるというような観光地ではありません。静けさを感じられます。
日本遺産にも選定されています。その名は――
日本初「旅ブーム」を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅(長いので以下略)
満観峰
の山頂は富士展望名所。静岡平野越しで右からは駿河湾が差し込む構図です。
その山頂は草原の広場になっていて、静岡側、焼津側、藤枝側に眺望があります。この展望もあって、低山ですがハイカーに人気のある山です。
地勢的には南アルプスの南陵が駿河湾に鋭く落ち込む手前の山になります。東海自然歩道はいったん日本坂峠に下った後、海に臨む花沢山まで登り返す形です。その途中には幾つか展望地があります。海原を見下ろすような箇所も。
用宗海岸では海に落ち込む花沢山が眺め返されます。
東海自然歩道は逆川集落から細い登山道を辿りますが、他にも幾つかの登山道があります。安倍川駅を起点とした朝鮮岩経由のコースが人気となるでしょうか。朝鮮岩は絶景の地として有名です。
蔦の道の峠からも稜線を辿って到達できるようです。また、高草山を経由する道もあります。
持舟城址
は用宗駅の裏山にある城跡。高度76mの頂上広場が本丸に当たり、熊野神社からの脇から上っていけます。途中からはちょっとした山道です。
短いながらも遊歩道が整備されていて、静岡平野から駿河湾の好展望が得られます。フジバカマが植えられた広場もあり、秋にはアサギマダラが飛来します。
――用宗(もちむね)はこの「持舟」から転化したとも言われます。用宗駅まで来たら立ち寄っておくことをお勧めします。