- 世界遺産の富士眺望 -
【公式案内】 | 静岡県観光公式 > 東海自然歩道 > H 浜石岳・日本平エリア |
【コ ー ス】 | 草薙駅~草薙神社~日本平(300m)~日本平駅~久能山東照宮~久能山下~三保松原~三保真崎 |
【距離高度】 | 16.2km(うち1.2kmはロープウェイ区間)、0m-300m-0m |
静岡バイパスコースは後付けの支線……ですが、この日本平を通すために設営されたコースではないかと勘繰っています。
実際、本コース完成の十数年後、富士山の世界文化遺産登録時に構成資産の1つとして三保松原が選ばれました。本コースを歩けば「芸術の源泉」を感じられるかも知れません
注意すべきは環境省公式の日本平コースは草薙駅~久能山下の約7kmですが、現地の案内では三保真崎まで延長16.2kmとなっていることです。現地の案内が新しいことから、2013年の三保松原の世界遺産登録、2018年の日本平夢テラスのオープンを経てコースをリニューアルしたのかも知れません。
いずれにしても、久能山下バス停から三保半島まではやや距離があります。東海自然歩道唯一の海岸線コースですので、潮騒を聞きながらのんびり歩くのも良いと思います。
草薙神社
は日本武尊を祭神とする神社。逆賊に原野に火を放たれ、日本武尊(ヤマトタケル)がそれを剣で振り払った、という草薙の地名由来が由緒に書かれています。さらに境内には龍勢(流星)煙火の筒が飾られているのも特徴的。
訪れる人も少なく、こじんまりとして静かな神社です。草薙駅付近にあった大鳥居も2020年に撤去されてしまいました。
日本平
は最強クラスの富士展望地。各地に富士見名所はありますが、これほど富士を見ることに特化した場所は見たことがありません。日本観光地百選の平原の部で1位に選ばれた、というのも頷けます。戦後の話ですが……。
もっとも、全国から人が集う有名観光地かというわけでもありません。富士のみならず伊豆半島や静岡市街、南アルプスの一部まで一望できる地ですが、曇ってしまえばそれまでです。どちらかと言えば、ロープウェイで往復する久能山東照宮参りの方が主目的になるかも知れません。
あとは夜景でしょうか。(夢テラスは夢照らす?)
加えて静岡市民のピクニック需要も担っています。東海自然歩道も途中、馬走(まばせ)ハイキングコースを利用します。距離は短いのですがアップダウンは少なく、緑の多い良コースです。家族連れの姿が目立ちます。
久能山東照宮
は「絢爛豪華」という言葉が相応しい神社。山の中、ごく狭い境内に不釣り合いなほどです。まるで隠匿された宝箱のよう。家康の遺言に従って埋葬された地に創建された神社、と知ればそれも納得することでしょう。今でも大勢の参拝客が訪れています。
参拝は2経路。久能下から石階段を上る表参道と、日本平からロープウェイで下る「空路」ですが、東海自然歩道はその両方をコースに設定しています。距離は1.2kmほど。東海自然歩道で唯一、徒歩ではない区間です。
久能海岸
は日本平の台地を波が洗う駿河湾の海岸です。砂浜を守るための消波ブロックが目立ちます。
浜辺から久能山の海蝕崖を望むことが出来ます。
三保松原
は2013年に富士山が世界文化遺産に登録される際、構成資産として登録されました。この松原から見る富士が過去の数多の芸術家の創作意欲を搔き立てた、と、そんな理由としてです。
――今風に言えば、世界レベルの「映え」スポット。鎌ヶ崎の浜辺にはそんな風景を見ようと訪れた観光客が大勢。
三大松原と言っても延々と続くのですが、核心部はやはり鎌ヶ崎のある清水海岸になると思います。ここには羽衣の松や御穂神社へ続く「神の道」の入口があります。
他には清水灯台、真崎あたりが観光客の訪れるスポットとなるでしょうか。真崎には水上バス乗り場がありますので、その航路上から見る三保松原を手前に置いた富士山、というのもなかなかの構図です。
[2023年11月中旬]晩秋に天気の良い日に訪れ、富士眺望を堪能してきました。歩き出しは起点の少し手前からで、日本平ロープウェイと水上バスも利用して清水駅まで進みました