- 大阪府最高峰・大和葛城山の山頂を尾根通しの道で目指す -
【公式案内】奈良県 > 近畿自然歩道 > ガイドマップ(2-8.葛城山カタクリの花をめでるみち)
【コ ー ス】平石バス停~高貴寺~平石峠~岩橋山~持尾辻~大和葛城山~ロープウェイ葛城山上駅
【距離高度】5.5km、180m-959m-870m
【踏 行 日】2006年9月中旬、2015年4月下旬
大阪府最高峰・大和葛城山に登るハイクコース。
――ただし、マイナーなコース。平石からダイトレを延々と伝っての葛城山登山は、アプローチが長すぎます。登山道もスギ・ヒノキ林が続き、展望箇所もほとんどありません。アップダウンも多く、上り一辺倒になるのは後半になってから。
平石バス停のバスの便が僅かなのも、本コースを歩くのを難しくしています。
ただ、そうして苦労して登った山頂では、それだけの到達感が得られることでしょう。山頂部は高原状になっており、それまでの窮屈な展望を一変させる全方向への素晴らしい見晴らし。大阪平野も奈良盆地も眼下に見え、条件がよければ大峰山地や四国の山々も見えてくれます。
なお、カタクリは山頂部の草原のほか、自然研究路には群生が見られます。時期は4月中旬。また、この自然探求路は全長2km・高低差180mほどあり、ブナ・ミズナラが混じる森で自然を満喫できます。植林帯歩きにうんざりしていたら、ぜひ歩いてみることをオススメします。所要は小一時間ほど、4月にはギフチョウも舞います。
また、ツツジの季節なら山頂南斜面に広がる自然ツツジ園に足を伸ばすのを忘れないように。
下山はロープウェイを使いますが、余力があれば足で下っても良いでしょう。奈良側には北尾根コース、深谷道、大阪側には天狗谷道、弘川寺道、とそれぞれ2本ずつの下山コースがあります。
大阪府の山麓の集落、平石【A】からコースは始まります。
山の方へ向けて車道をまっすぐ上っていきます。集落を抜け、棚田も尽きると林の中へと入っていきます。幅があって、歩きやすい山道。
平石峠【B】でダイヤモンド・トレイルと合流。
ダイトレ縦走路を南に向かって歩き始めます。道のほとんどが濃い林の中。ただ、大阪方面の見晴らしが得られるところもあります。
300m近く高度を上げると、ようやく最初のピークとなる岩橋山山頂【C】。
山頂を離れると今度は階段の急下降。
岩橋峠【D】からまた登りが始まります。「布施城跡←」の標示もある久保辻【E】を通過。
さらに持尾辻【F】を通過。ここは林の中、ベンチが並んでいます。平石峠・葛城山のほぼ中間点。
――ここにきてアップダウンがやや落ち着きます。林間の道は変わりませんが、時折、展望も開けるようになります。
一本松【G】を巻き、さらに忍野駅分岐を通過。
やがて長い丸木階段が現れるようになります。それを登り越えて少し進むと、また階段。残っている体力が根こそぎ奪われていきます。コースで一番辛いところ。
幾つもの階段を越えると、周囲が自然林に変わったことに気付きます。左に道が分岐【H】していきますが、コースはさらに登りです。
いったん、下りになった後、最後の登り。ようやく勾配が落ち着き、それまでチラチラと見えていた電波塔【I】の真下に出ます。
さらに少し進むと山道が尽き、雰囲気ががらりと変わります。
葛城山ビジターセンター【J】の裏手から出て行くと車道。軽装の観光客が大勢歩いていて、ちょっと面食らいます。
売店・食堂、自販機などもあって、苦労して登った山頂への到達感はやや薄れるかもしれません。
そして最後の階段を上ると葛城山山頂【K】に到着。広大な広場になっていて、空も近く、解放感は半端ではありません。大阪平野側の眺望もありますが、奈良盆地への眺望が特に良いです。
南には黒々とした金剛山――そちらへ向かって進みます。
やがてツツジの広がる斜面に着きます。ここは5月にはツツジが咲き誇るところ。
奈良側へ回り込み、林道を北へ辿ります。4月半ばにはギフチョウの舞う道。
舗装道となり、ロープウェイ駅へ向かいます。その途中にある自然研究路【L】は4月中~下旬にはカタクリを見ることが出来ます。
自然研究路の最奥部にはロープウェイ葛城登山口駅の近くに出る下山道があり、そちらから下りても良いのですが、近畿自然歩道の終点は山頂駅です。
研究路から車道に戻り、ブナの木を見ながら葛城山上駅【M】に到着。
――コースはここまでですが、こちらからも下山道があります。櫛羅(くじら)の滝を見ることが出来ますが、勾配は急で、やや危険。冬場は凍結にも注意。