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北奥駈道 3泊4日縦走記


大普賢岳から大峰山脈を望む

大普賢岳から南方を望む。大峰山脈は近畿最高峰・八経ヶ岳を越え、うねるように南へ伸びてゆく

紀伊半島を南に向かって進むという行為には、淡いロマンがあるように思えます。

三重も奈良も和歌山も県庁所在地は北の方。じゃあ紀伊半島の南半分にはいったい何があるんだ? よし見に行こう、ということになるじゃないですか。もちろん、地図上の知識はある。でも、百聞は一見にしかず。

そう、以前、サクラを見に吉野を訪れ、水分神社の脇に「大峯奥駈道」の石碑を見た瞬間、この道を歩くことが定まったのかも知れません。

いつか南へ――。

大峯奥駈道というのは世界遺産登録されていて、熊野大社まで続く、と知ったのはその後の話。そして着々と山泊道具を揃えていった日帰りハイカーが、自身初の山泊をこの大峯奥駈道にぶつけます。

【1日目】吉野駅~小笹ノ宿

早朝の吉野駅から吉野山を登り始めるものの、重い荷物にフラフラ。観光地然とした車道、辛い四寸岩山の登り、水場のある大天井ヶ岳の巻き道などを経て五番関の女人結界門に至る。日が照りつける山上ヶ岳の眺めは感動的。まだ時期的に開いていない宿坊をパスし、小笹ノ宿へ。


【2日目】小笹ノ宿~弥山

沢の水音とともに目が覚める。テントを開けると、すこぶる良い天気。気持ち良く出発し、尾根を歩き続ける。大普賢岳ではハイカーの姿が多い。次、国見岳・七曜岳付近が思いがけず難路。面白いが体力消費させられる。行者還岳以降は曇り。淡々とした歩きとなる。

【3日目】弥山~前鬼

国見八方睨で目覚める。周囲は亜高山帯の針葉樹、今日も天気は良さそうだ。八経ヶ岳を越えて緩やかに下っていくものの、3日目ともなると肩や足裏が痛い。仏生ヶ嶽・孔雀岳では暑さに足が止まりがち。釈迦ヶ岳手前の路で悪戦苦闘し、太古ノ辻からは嫌になるほど長い下りを下る。

【4日目】前鬼~前鬼口バス停

前鬼のテント場で目覚め。林道でなく山道の短絡路を探るがギブアップ、素直に林道を下る。途中、不動七重滝は思っていた以上の迫力。貯水湖に沿ってグネグネと曲がる車道に飽き飽きしたころ、国道の前鬼口バス停に到着。バス2本乗り継いで帰る。総じて、満足な旅だった。

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