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坂 本

- 比叡山を迂回 -

 

【踏 行 日】2016年6月下旬

【撮影機材】OLYMPUS E-5, ZD12-60F2.8-4, ZD50-200F2.8-3.5

…(JR琵琶湖線)=比叡山坂本駅~坂本駅~坂本ケーブル駅
【アプローチ】京都から琵琶湖線に乗って4駅目。駅前から比叡山に向かって真っ直ぐ歩いて30分。バスもあり。
坂本駅~日吉大社~作り道~穴太駅~滋賀里駅~高砂橋~南滋賀町廃寺跡~近江神宮
★★☆ 坂本は伝建地区で見どころ多い。寺社も多数。穴太まで進むと後は単調な県道歩き。高砂橋で東海自然歩道本線と合流。
近江神宮~大津京跡~近江神宮前駅=(京阪線)…
【帰路】近江神宮から近江神宮前駅までは徒歩10分。

…(JR琵琶線)=比叡山坂本駅~坂本駅~坂本ケーブル駅

琵琶湖
雨の琵琶湖。その向こう音羽山、長等山、如意ヶ岳
比叡山坂本駅
JR琵琶湖線・比叡山坂本駅
坂本三丁目交差点
県道316号の最初の日吉大社鳥居

雨が降っていた。

眼前に広がる大海原にも激しく雨粒が打ち付けていた。……いや、大海原じゃなくて湖面か。日本最大の湖である琵琶湖。波打ち方際に立って、ただ黒々とした空を映す水面を眺めていた。

……そりゃ、梅雨なので雨も降るだろう。天気分布予報もこの時期は精度が落ちる。

踵を返し、湖を背に歩き出す。とりあえず今日の目的地である坂本の町を目指す。比叡山延暦寺の門前町。

前方に黒々とした比叡山。そちらに向かって真っ直ぐ歩いていく。周囲は郊外風景で、田や畑の間に家が建っている。と、雲の合間から陽射しが降り注いできた。

それも、JR比叡山坂本駅を通過すると雲が覆い被さってしまった。どうやら今日はもう陽射しを望めそうもない。

京阪・坂本駅
京阪石山坂本線・坂本駅
ガクアジサイ
アジサイの咲く季節――
日吉御田神社
日吉御田神社
日吉大社大鳥居
日吉大社大鳥居。日吉馬場の入口
東海自然歩道道標
東海自然歩道の道標。近江神宮5.3kmとある

県道を西進。日吉大社の最初の鳥居を通過、緩い上り坂となる。右手に公人屋敷。

PM3:24、京阪・坂本駅前に到着。ここが坂本観光の起点だ。伝統的建造物保存地区の標示があり、観光案内所もある。それになにより前方の大鳥居が目立つ。

大鳥居の前まで歩を進める。ここに、東海自然歩道の道標が立っていた。

……完全に意表を突かれた。コースは比叡山稜線を通っている。麓のコースなんて公式には一切情報が無い。


 


生源寺
生源寺
横小路
横小路の「古いまちなみ」

今日は2時間ほどで坂本の町を巡るだけの予定であった。実際、午後もかなり遅い時間だ。一方、道標は大鳥居の先の日吉馬場と作り道を指し示している。

――とりあえず予定通り町を巡ろう、と日吉馬場へ進まず横小路へ。伝建地区っぽい家並みが少しだけ続く。六角堂の辻で左折。

石積みのある家並みを見ながら八条通りを進む。遅い時間帯なので観光客の姿は無い。

八条通り
石積みを見ながら八条通りを北へ
三宮神社・牛尾神社
八王子山の三宮神社・牛尾神社
ネムノキ
大宮川のネムノキ
芙蓉園別館
県道47号の芙蓉園別館前で左折
東受付
日吉大社の東受付
日吉大社
日吉大社

進むにつれ、坂の勾配が増してくるような気がする。山麓の門前町なので、当然そうなるだろうけど。

路地の奥にはポッコリと丸い八王子山が見えている。その小山の山頂付近には社が二つ仲良く並んでいる。至るところに寺社があるのも、この町の特徴。

大宮川沿いの道となった。緑が増え、町外れに来た雰囲気。県道47号に突き当たって左折、さらに上り坂。道なりに進んでいく。

「日吉大社」の標示を見てその奥へ進むと橋に突き当たった。渡った先が日吉大社境内らしい……と、そこに受付の建屋。入苑協賛料¥300とある。

――しばし悩む。日吉大社に入らずして坂本の町を巡ったとは言えないのだけど。入ってしまったら最後、境内を巡るだけで今日1日は終わってしまうだろう。元々はそういう予定だったのだけど……先ほど見た東海自然歩道の道標がどうしても気になる。


 

早尾神社
早尾神社
求法寺 走井堂
求法寺 走井堂
苔生す道
苔生す道

判断保留。とりあえず車道に戻って、比叡山ケーブル駅へ向かうことにした。きっと、そこに何らかの情報がある筈。

旧竹林院と走井元三大師堂の間の坂道を上る。その先の十字路、左手には赤い鳥居、右手には再び日吉大社の受付が建っている。日吉馬場終点であるこちらが日吉大社の正門なのだろう。でも、もう午後4近くでは参拝客の姿は無い。

その先は早尾地蔵尊の塔と早尾神社の参道。――このあたり一帯は少し、異世界めいた雰囲気がある。坂本の門前町と山上の延暦寺を繋ぐ接続点、のような。

延暦寺表参道入口
延暦寺表参道(本坂)入口の大階段
早尾地蔵
早尾地蔵

そして県道47号との合流点の山側には森の暗がりの中へと伸びていく大階段があった。そう、山の上の延暦寺へと続く参道だ。その階段の幅は結構なもの。

階段の脇には東海自然歩道の道標が滋賀県の「逢のみち湖のみち山歩みち」の案内と一緒にあった。コースは直進、県道で比叡山ケーブル駅へ向かう模様。

――さあ、どちらへ進もうか。

比叡山参道
比叡山参道を上る
林道を下る
林道を下る

進みたい方角に進む。最近は増えてきたコースに縛られない歩き。

――どこへ続くか分からない階段というのはそそられるものだ、ということで大階段を上る。

でも、この道の終着は延暦寺と分かっている。階段が尽き、林道へと当たった。登り切ることもチラと考えたけれど、後には気になることを残している。

そんなわけで林道を伝って下りていく。下界へ……。


ケーブル坂本駅~日吉大社~作り道~穴太駅~滋賀里駅~高砂橋~近江神宮

坂本ケーブル
ケーブルカーが斜面を下る
中部北陸自然歩道
ここは中部北陸自然歩道の起点。案内板が立つ

←本線コースへ戻る

ケーブル坂本駅。山上にあるケーブル延暦寺駅を東海自然歩道で通過したのは8年半も前のことになる。

今回、たまたま坂本の町を巡っていたら東海自然歩道の道標を見掛けたので、そのコース起点らしきこの地点に足を伸ばした。ところがここに立っていたのは――中部北陸自然歩道の起点のコース案内板!

ケーブル坂本駅
ケーブル坂本駅。比叡山山上の延暦寺駅を11分で結ぶ

そう、この場所はケーブルカー1本隔てて東海自然歩道と中部北陸自然歩道が接続する要所であった。そんなこと、ここに来るまで知らなかったけれど。

中部北陸自然歩道は琵琶湖北岸を通り、遙か群馬県まで続く4,029km――そんなには歩けないけれど、代わりに今日は東海自然歩道と付き合うことにしよう。仕方ない。

支線起点
東海自然歩道・支線の最初の道標
権現橋
権現橋で県道47号に当たる

PM4:22、ケーブル坂本駅を出発。目指すは本サブコース(?)の終点と思われる近江神宮。6km少々の道のりだ。

駅から少し下ったところに最初の東海自然歩道の道標があった。……久しぶりに指導標を探しながらの歩きか。まさか家を出た時はこんなことになるとは思っていなかったけれど。

緑の多い坂道を下っていく。と、県道47号に当たった。ここには比叡山高校の入口も。

21℃
県道47号を西へ
県道47号
延暦寺表参道入口へ戻ってきた
道標
「逢のみち湖のみち山歩みち」の道標も

坂本の町巡りをするなら、右へ進んで日吉東照宮に立ち寄るべきだけれど――コースに従って左折。今日は予定外の歩きなので、終点に到達するには少々急がなければならないのだ。

気温標示板が立っていた。21℃を示している。湿気の多い6月下旬の気候だけれど、それほど肌にべとつく感じはせず、歩きやすい。それに、この時期ならではの日の長さもある。ただ、そでも暗くなる前に終点まで辿り着けるかは微妙なところ。


 


走井元三大師堂
走井元三大師堂
西受付
日吉大社の西受付。入苑協賛料¥300
早尾地蔵尊
早尾地蔵尊の地蔵

県道が右に曲がっていくところに延暦寺表参道入口。早尾地蔵尊も建っている。とは言え、つい25分前にもいた場所なので既に色々と目にしていたりする。

指導標はここで右折、日吉馬場に進むよう指示しているけれど、直進、日吉大社の指示もある。

――というわけで、いちおう日吉大社の東受付まで立ち寄っておく。残念なのは参拝する時間が無いこと。なにしろ、坂本は延暦寺だけでなく日吉大社の門前町でもある。次に来ることがあったらその時は境内に入ろう、と思うだけにして引き返す。

早尾神社への立ち寄りも省略。なんか、省略し過ぎのような気もするけれど仕方が無い。

そして、延暦寺参道入口前から、いよいよ日吉馬場の大通りを下る道に入る。門前町・坂本の言わば目抜き通り。

芙蓉園本館
芙蓉園本館。「湯どうふ」
日吉馬場
日吉馬場
赤鳥居
日吉大社の赤鳥居

――問題は、この通りの右の歩道を使うか左の歩道を使うか。車道と歩道の間には広い緑地帯があって、濃い緑で互いの視界を隠している。なので二者択一。

右側を選択。芙蓉館本館で市指定文化財の穴太衆積み野石垣が見られることが理由であったのだけど。素人が見たところで、石垣の組み方の違いや美しさが理解出来るわけもないのであった。解説板を読んで、ふーんそんな感じか、と思ったぐらい。何年経っても審美眼というやつは養われないな……。

大杉茶屋
大杉茶屋。中部北陸自然歩道とはここで分岐
穴太衆積みの石垣
穴太(あのう)衆積みの石垣

さらに馬場を下っていく。反対側には寺院が並んでいる地帯だ。通りの中ほどで寄り道を決める。右手の路地に突入。滋賀院門跡のある通りだ。

静かな路地を進んでいく。相変わらず左右は石積み。比叡山中学を通過、藤ノ木川を橋で渡ると「滋賀院→」の標示。そちらへ。

直ぐに門があって、その中に滋賀院門跡の庭園拝観受付があるらしい。さすが国指定史跡の庭園、拝観料を取るか……と、その前に今は拝観時間外。


 


藤ノ木川
藤ノ木川。琵琶湖へと注ぐ
滋賀院門跡入口
滋賀院門跡入口。拝観時間8:30-16:30(3~11月)
飛び出し坊や
滋賀県は飛び出し坊やのメッカ
延命地蔵
延命地蔵
御殿馬場
御殿馬場

そのまま叡山学園沿いの道を進む。もう、ぐるりと回って引き返すか。権現通りに当たって左折、坂を下りていく。一瞬、街路樹がスギになる。

別の通りに当たる。――作り道か。下り過ぎてしまったようだ。この辻には「毘沙門天王」の石柱が立っている。

作り道を引き戻る方向へと進み、途中の御殿馬場で左に折れ、坂を上る。再び滋賀門跡に出て日吉馬場への離脱点へと戻った。都合、20分ほどの寄り道であった。

三方向道標
日吉馬場入口の三方向道標
里坊の石垣
里坊の石垣
路傍の花
路傍の花
日吉大社鳥居
日吉大社鳥居。東海自然歩道が手前の横断歩道を渡っている…

日吉馬場の歩道を下っていく。石積の塀が続くけれど、さすがに見慣れた。

PM5:01、ようやく日吉大社の大鳥居の立つ地点に戻ってきた。日吉そばのある辻だ。もちろん、今日の迷走の原因となった東海自然歩道の指導標も。

日吉そば
日吉そば。いかにも老舗の佇まい――

ここで坂本の町巡りは終了、自然歩道歩きへとチェンジする。さすがに午後5時過ぎてからコースを歩き始めるのは初体験だけれど、山道も無い筈だし、なんとかなるっしょ。

「近江神宮5.3km」と示された方角へ歩き始める。それにしても、長距離自然歩道の道標を見付けると思わず追ってしまうこの習性はなんとかならないものか……。


 


作り道
作り道の通り
「作り道」
「作り道」は造り道とも言う

作り道を進む。初めは伝建地区らしく屋号のある建物が並んでいたけれど、家並みも次第に現代風に戻っていく。現代風というか、昭和風かも知れないけれど……。

榊宮社を通過。先ほど寄り道した時に一度、ここまで来ている。権現馬場入口を過ぎると右に穴太衆積みの石垣が続く。ただし、特に案内も無いので意識しなければ見過ごしそう。

頬焼地蔵尊を過ぎると、後は普通の住宅地歩きとなった。やや下り坂。

榊宮社
榊宮社
見ざる言わざる聞かざる
見ざる言わざる聞かざる
倉
倉のある通り
倭神社
倭神社の十一面観世音菩薩
プレート
東海自然歩道のプレートが道を示す

不意に巨大な観音菩薩像が現れた。倭神社だ。もっとも神社と言っても社は無く、開けっ広げ。

――その前に東海自然歩道のプレート道標。坂本の先、東海自然歩道の標示は無いかもと思っていたけれど、そんなことは無いようだ。とりあえず道標を追っていけば終点に着けそうだ。

ゆるゆると下り坂は続いていく。周囲は住宅地で見るべきものも無い。京阪のガードを潜る。

京阪ガード
京阪電鉄のガードを潜る
盛安寺
盛安寺

やや上り坂となった。普通の生活道路で、自然歩道と言われてもなあ、といった感じ。

推測ではあるけれど、このコースはおそらく、比叡山稜線上の山道を迂回するために設定されたサブコースなのだろう。従って、歩くのに難しいようなところは無い筈。

――ただ、坂本からこちら、本当に単調だ。一直線で、見所もほとんど無い。

盛安寺を通過。


 


観世音菩薩
観世音菩薩
穴太
穴太(あのう)の集落

四ツ谷川を渡り、穴太の集落を進む。

――坂本で感じた雰囲気が少し戻っていた。古びた寺社も幾つか現れている。坂本の石積み職人・穴太衆はこちらを住まいとしていたのだろうか……。

時折、青く端麗なガクアジサイの花が道端に現れ、今が夏の前の季節だということを思い出させてくれる。

と、民家の庭先に東海自然歩道のプレート発見。ここを右折か。思ったより早かった。道標消失も想定していたので、拍子抜け気味。

四ツ谷川
四ツ谷川
転回
右折ポイント
「交差点注意」
「交差点注意」

細い路地に入る。穴太駅へと続いている筈の道だけど――車1台通るのがやっとの細い路地。本当にこっち?

踏切が見えた。渡ると、左手奥の方に駅が見える。あれが穴太駅だ。

駅の入口手前の植え込みに東海自然歩道の道標が立っていた。そして「東海自然歩道利用の皆様へ」というコースマップ。――そこには本線とともに、坂本からここまでの道のりも赤く示されていた。滋賀里の先で本線と合流している。

じつは同じ滋賀県で同じタイプのコースマップを見たことがある。岩間寺手前の奥宮神社でだ。音羽山からの本線・支線ショートカット。

井堰川
井堰川踏切を京阪電車が通過
案山子
道標とコース案内図と……シュールなカカシ

これで滋賀県に2本の隠されたサブコースがあるということが分かった。他にもあるのかも……。

PM5:45、京阪・穴太駅。初めて来たけれど、見覚えがある。じつはTVアニメ『中二病でも恋がしたい!』で主人公が通っていた高校の最寄り駅がここ。

列車がやってきた。『響け!ユーフォニアム』のラッピング列車だ。京アニが宇治にあることもあって、『けいおん!』以来、この京阪石山坂本線はTVアニメとのタイアップが多い。

コース案内図
本線と別に坂本-滋賀里が示される
穴太駅
穴太駅は『中二病でも恋がしたい!』の聖地
『響け!ユーフォニアム』
こちらは『響け!ユーフォニアム』ラッピング

 


MILL PROGRESSO COFFEE
MILL PROGRESSO COFFEE

京阪線と並行して県道47号が走っている。先ほどのコースマップにも「ここから滋賀里方面へは県道沿いを歩くコース」とあったので、この先は県道ベタ歩き確定。近江神宮までは3.3kmだ。

右折を示す道標プレートを見て、県道を南に向かって歩き出す。最初は下り坂。坂の途中からは景色が開けた。左に複線の京阪線、そしてその向うは――琵琶湖の湖面だ。雲に覆われたグレーの空を映して、相変わらず冴えない色。対岸に見えているのは太神山だろうか?

琵琶湖
琵琶湖。その向こうは阿星山、竜王山
県道47号を往く
県道47号をベタ歩き
竹林
竹林
並走
京阪との並走がどこまでも続く
西大津バイパス
西大津バイパスを乗り越える

滋賀里ランプ北の入口を通過。

――右手に、青々とした比叡山の南陵が見えてきた。東海自然歩道の本線が下ってくるあたりの筈だ。合流までもう少しか。

県道は一直線に続いている。すぐ脇を帰宅を急ぐ車が何台も走り抜けていく。……迂回路とは言え、いちおう自然歩道のコースなんだけどなあ。本当に、今日自分は何をしに来たのだか、良く分からなくなってきた。

と、また京阪電車が走り抜けていった。袴姿の広瀬すず――劇場版『ちはやふる』のラッピング車両。そういえば映画公開中だった。そして、この先の近江神宮は競技かるたの聖地。

田園
滋賀里の田園。本コースはあの尾根の向こうから
滋賀里駅
滋賀里駅。ホームを千鳥式に配している

同じような景色が続く中、ひたすら前方へ歩いていく。高度が無くなったので琵琶湖も見えない。

日が落ちたらしく、ようやく薄暗くなってきた。車はヘッドライトを点け始めている。左手には京阪列車が始終、往復していく。もう一体、何台やり過ごしただろう? 運行本数が多いように感じるのは、こちらが徒歩だからだろう。

駅のホームが見えてきた。滋賀里駅だ。通過して、さらに南へ。


 


夕暮れ
パッとしない今日の夕暮れ
ラッピング列車
「ちはやふる」ラッピング列車。折りしも、広瀬すず主演の実写版映画公開中――
高砂交差点
高砂交差点。坂を上る(コースはじつは1本南)
高砂橋
際川に架かる高砂橋で東海道本線に合流

左側は線路だけれど、右側は住宅地。琵琶湖最大の都市・大津が近づいてきたのだ。滋賀里の「里」っぽいイメージは、もう無い。

高砂東交差点は地下歩道で潜る。その地下で、線路を潜る車道とまた交差――これは結構珍しいかも。

地上に出る。穴太駅前で見たコースマップによると、このあたりから西に折れる筈なのだけど……どこだろう?

支線分岐
ここは本線・支線分岐という要所。南へ

←本線コースへ戻る

右に道標は無いかと注意しながら県道を進む。ところが南滋賀駅が見えてきてしまう。仕方が無い、と高砂東交差点まで戻って西に折れる。高砂交差点からは4車線の広い車道に。緩やかな上り坂。

と、見覚えのある場所に出た。右手、西大津バイパスの高架を潜って緩やかに下りてくる道が東海自然歩道本線だ。――歩いたのは9年前のことだけれど、けっこう憶えているものだな。

PM6:39、迂回コースも完踏……なのだけど本線へ入る。坂本で見た道標には「←近江神宮5.3km」と示されていた。なので、近江神宮まで辿り着けないと何だか気持ち悪い。

南に直進。一瞬、開けた田園光景もすぐに住宅地に飲み込まれた。確かこのあたりは道が細かかった。道標は残っているだろうか?

――残っているようだ。懐かしい円形標示板。左、右、ときて「逢の道」案内板まで進む。

南滋賀の集落
南滋賀の集落を往く
標識
途中、コースはクランク状に曲がる
「逢のみち」
「逢のみち」と合流。右へ

 


坂道
坂道を上る。この先、道標のないT字路で左折
自然の道 歴史の道
「自然の道 歴史の道」の道標

道標のないT字路を左へ。そこに南滋賀町廃寺跡があった。9年前は一瞥で通過したけど、今回は入ってみる。芝生の公園になっていて、ブランコや滑り台がある。少し高台にあるものの見晴らしはほとんど無い。人の姿もなく、既に夕闇がわだかまっている。

コースへ戻る。下り坂となって、前方の見晴らしが開ける。大津MARYがこのあたりのランドマーク。

下っていくと見晴らしが没する。

南滋賀町廃寺跡
南滋賀町廃寺跡。遊具があるが使用禁止
ガクアジサイ
ガクアジサイが咲き誇る
下り坂
坂を下る。ヒマワリが咲いている
トンネル
県道30号を潜り抜けるトンネル。この先が近江神宮の区域
コース案内板
コース案内板。未だ環境庁1,300kmバージョン
近江神宮楼門
近江神宮の楼門。修復工事中であった……

左手に県道30号を潜るトンネル。「三井寺 ここから車で5分」の標示が掲げられているけれど、もちろん県道を走るドライバー向け。

トンネルを潜る。光が輪のように照らし出していて、ちょっとしたタイムトンネル気分。突き当たって階段を上ると近江神宮の鳥居。

鳥居を潜る。右に逸れて近江勧学館へ。ひっそりした白い建物――競技カルタの全国高校大会の舞台だ――9年前は知らずに見物したけれど。実写版映画「ちはやふる」のポスターが貼られているのが9年前との唯一の差異か。

コースに再合。「大津京跡0.5km⇒」は先ほどの廃寺のことだろう。大津京の在処は諸説あって、どんどん変わる。

そして、近江神宮楼門の下へ。真っ赤な春日造りで、『ちはやぶる』のイメージカットにも使われていた象徴的な建物だけど……なんと工事中! PM7:09。

先のコースへ進む→

近江神宮~大津京跡~近江神宮前駅=(京阪線)…

外拝殿
近江神宮・外拝殿。ひっそりしている
側道
「よいこのもり保育園」入口で側道へ

まさかこんなオチだとは思ってもなかった。映画公開と合わせて修復工事とは。まあ、らしいと言えばらしいかも。

さて、駅に向かおう。南、保育園下の側道に進んで細く薄暗い地道を歩く。すぐに車道、宇佐八幡宮分岐だ。左折、川沿いに再び山際へ向かおうとする東海自然歩道に別れを告げて直進。

高台にある住宅地へと入る。もうすっかり暗くなって電灯が煌々と灯っている。すぐに下り坂になり、湖の方向へ向かって下りていく。

錦織
錦織の住宅地内を琵琶湖方面へ下っていく
近江大津宮錦織遺跡
近江大津宮錦織(にしこおり)遺跡

県道に突き当たる直前、「近江大津宮錦織遺跡」の標柱。そう、大津京はこのあたりというのが最近の定説。おかげで、西大津駅は大津京駅と改称した。

県道47号に当たって右折。この左手にも錦織遺跡がある――何も無いけれど、解説板によると、ここが「大津宮の中心的位置」であったらしい。

県道を南下、すぐに信号のある交差点。左折すると近江神宮駅に到着した。PM7:38。

近江神宮前駅
京阪・近江神宮前駅。浜大津駅から北に4つ目
近江神宮案内
近江神宮案内。楼門までは10分ほど
タヌキ
『ちはやふる』だけではなく鉄道むすめパネルも
綾瀬ちはや
到着した石山寺行き列車は…
浜大津駅
浜大津駅で降車。京都方面行きに乗り換え

――なんか、今日は歩く目的が二転、三転したような気がする。最初は坂本の町を見物するだけのつもりでやってきた。ところが東海自然歩道の道標を見て、つい辿ってしまったのが中盤。

そして今は『ちはやふる』の聖地巡礼をしているような気になっている。なにせ、この近江神宮駅には『ちはやふる』のパネルやポスターが目立ち、“聖地”感を醸し出している。

石山寺行き電車がやってきた。『ちはやふる』ラッピング列車であった……。


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