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鷲峰山

- 茶の産地を抜けて -

 

【踏 行 日】2006年12月上旬

【撮影機材】OLYMPUS E-1, ZD14-54F2.8-3.5, ZD50-200F2.8-3.5, CASIO EX-P505

…(京阪電鉄)=宇治駅~宇治橋
【アプローチ】JR宇治駅はコースから遠い。一方、京阪宇治駅は駅前がコース入口の宇治橋。
宇治周遊(宇治橋、天ヶ瀬ダム、仏徳山、興聖寺、天ヶ瀬吊橋、紅葉谷)
★★★ 宇治橋と白虹橋で囲んだ宇治川沿岸周回コース。見所が満載。天ヶ瀬ダム・紅葉谷はオプション
宇治~白川~くつわ池~郷之口
★☆☆ 序盤の茶所は良い感じ。ただ、その後は長い車道歩きになる。連絡路と割り切るべし
郷之口~地福谷~金胎寺~鷲峰山~原山~門前
★★☆ 鷲峰山への長いアプローチだが林道をひたすら上り詰めるだけ。鷲峰山は標高687m。下山は良い道
門前~和束山の家-(奈良交通バス)-木津駅…
【帰路】原山バス停から加茂・木津行きバスは出ているが、バス通りに沿って日没まで散策。

…(京阪電鉄)=宇治駅~宇治橋

朝焼け
京阪宇治駅構内より見る今日の空。東方、朝焼けている

冬の早朝、京都府、京阪宇治駅に降り立つ。今日から山之辺の道を本格的に歩き出すのだ。

――大阪箕面から始めた本線コース歩きも岐阜県に到達して、距離を伸ばすのは辛くなってきたところであった。そこで目に入ってきたのが……山之辺の道、東海自然歩道の支線コース。本線の琵琶湖南端にある石山から南へ進み、奈良盆地を縦断して三重県境の布引山地を縦走、再び本線に合流する近畿区間の大回りコースだ。アプローチの短さ的にも、こいつはお誂え向きだろう、と。

5ヶ月ほど前、醍醐寺に詣でた帰りに幾らかこのコースを歩いたことはある。ただ、その時はしょせん食い齧り。岩間コースは将来きちんと歩くとして、まずはこの宇治を歩き始めの地としようと思ったのだ。(後註:この時点では岩間コース踏破は未来の話)

京阪宇治駅
京阪宇治駅
宇治川
宇治川と宇治橋。橋の上は府道7号

改札を潜って駅の外へ――。

寒い。それに、まだ薄暗い。なんか、空が壮絶に朝焼けているので余計暗く感じる。

天気予報では今日はまずまずの天候だった筈だけど。朝焼けは確か悪天候の兆しでもある。一体、今日はどっちに転ぶことになるのだろう?

宇治川橋
宇治橋の上から宇治川上流方向、宇治公園のある中ノ島を見る

今日は、この宇治から和束へ抜ける南への旅。調べてみると、この山之辺の道の京都区間は結構、というよりかなり長いことが分かった。ここから南へ向かって終日歩いても奈良県境には達しない、と言うのだから。まあ、実際に長いのは京都府自体の形。

冬の朝の7時前、駅前は静かで閑散としており、世界遺産のある観光地の中心駅とはとても思えない。

歩き始めると、一瞬で宇治橋の東詰交差点。

 

宇治周遊(宇治橋、天ヶ瀬ダム、仏徳山、興聖寺、紅葉谷)

宇治橋
日本三古橋の1つ、宇治橋に曙光が当たる
紫式部像
その脇、紫式部像
平等院表参道
平等院表参道。わずか150mほどの府道248号
網代木の道
宇治河岸のあじろぎの道。「網代木」と書くらしい

係留中の屋形船
2つの赤い橋が見えてきた。中ノ島橋と喜撰橋だ

AM6:54、東海自然歩道・宇治橋東詰。ここから出発。

なにはともあれ、まずは宇治橋を渡る。日中は喧騒のこの橋も今はまだ朝のまどろみの中。宇治橋から見る宇治川の川面も、朝日ならぬ朝焼けの空を映し出している。――まだ眠っている宇治の街。

渡り切り、宇治川西詰交差点。左折して平等院表参道に入る。誰もいない。もちろん、左右に連なる土産物屋のシャッターも閉ざされている。

平等院に到着――もちろん、その門も堅く閉ざされていた。道を左に逸れ、宇治川左岸の遊歩道『あじろぎの道』へ。

この遊歩道で、ようやく朝の散歩をしている人達が目に付くようになってきた。このようなところを散歩道に出来る人たちが少し羨ましい。

宇治市観光センターを過ぎて、さらに進む。


 


宇治川下流
喜撰橋より宇治川下流を見る。右に十三重石塔のある塔ノ島
宇治川観光通船
宇治川観光通船の建物

東海自然歩道は、宇治では宇治川を巡る周遊コースが設定されている。その下辺が先ほど渡った宇治橋で、上辺がこれから目指す白虹橋。距離に直すと5kmほどだけれど、今日は色々寄り道するので、歩行計画では一応、3時間ほど確保している。

喜撰橋と愛宕山
北西へ流れる宇治川の向こう、愛宕山(924m)が聳える。手前は喜撰橋

――ただ、3時間ではチト厳しいかも、と思い始めた。その根拠は、ちょっとズイい言葉を使えば「空気感」――この空気感ならば、色彩感の乏しい今の時間帯を脱した途端、大きく化けるに違いない、と。

日光はまだ射し込んでこない。遊歩道が終わって府道3号の車道に合流。普通の二車線車道だ。ただ、脇に歩道は付いている。車の往来は少ない代わり、散歩をしている人の姿が相変わらず多い。

見下ろすと、宇治川はやや狭くなり、なんとなく渓谷っぴ様相を呈してきた。蛇行を始めて、川の前後の見通しも悪くなる。

最初の朝陽
ようやく朝陽が当たり始めた
宇治川左岸の車道
府道3号から再び宇治川左岸の道へ

府道を離れて、さらに宇治川沿いの車道を歩いていく。川の脇には、釣り糸を垂らした釣り人たちの姿。さすがに彼らの朝は早い。

右手に東海自然歩道の先、白川を示す指導標が現われた。まだ早い。無視して直進。

さらに、右手にもみじ谷に登る階段。そそるものの、これも無視。宇治川に付き沿ってさらに前進。


 


天瀬吊橋
宇治川に架かる天ヶ瀬吊橋。木製だ
天ヶ瀬ダム分岐
ここを左に下りるのが東海自然歩道

天ヶ瀬吊橋に到着。木の吊橋が宇治川を渡っている。

時刻は朝7時半過ぎ。それでも、橋の上に早くも観光客の姿があった。朝の散歩にでも出て来たのだろうか?

東海自然歩道も、ちゃっかりとこの橋上をコースに設定している。さらに上流にある白虹橋を回り込むコースより、0.7kmほどショートカット出来る。

?
対岸に見えるこの建物は何?
天ヶ瀬ダム
天ヶ瀬ダム。高さは73m

渡らずに宇治川沿いを遡上――頑なだ。やがて道が二股に分かれた。左に進むと白虹橋。東海自然歩道の赤線はそちらを示している。

けれど、ここであえて右の道へ。正面に見えるの天ヶ瀬ダムが、だんだんと圧し掛かるように大きさになってゆく。最後、右に高巻いてダムと同じ高さへ。

――今日最初の寄り道は、この天ヶ瀬ダム。

天ヶ瀬ダム近景
天ヶ瀬ダムを覗き下ろす
天ヶ瀬ダム管理支所
天ヶ瀬ダム管理支所。ダム道路より

ダムの上に上がる。――目の前に巨大な水面が広がった。鳳凰湖だ。

ちょうど、朝陽がダム道路に当たり始めたところだった。ただし、湖面にその光は届いていない。――湖が目覚めるのは、もう少しだけ時間が経ってからだ。


 


天ヶ瀬ダム
宇治川下流を見下ろす。ダムの影が長い
鳳凰湖
鳳凰湖、と名付けられているがあまり馴染みが無いかも

湖を囲む山の際から、朝日が昇るのを眺める。

――そこまで。踵を返し、来た道を戻り始める。湖の周囲にどれくらいの紅葉があるのか確かめたかったのだけど、まあ仕方ない。

白虹橋
白虹橋。宇治川を囲う東海自然歩道の最上流部
天ヶ瀬発電所
関西電力・天ヶ瀬発電所への道

ずんずん下りて、先ほどのコース分岐点へ。今度こそ指導標に従って白虹橋の方向へ。

白虹橋は名前に比して普通の橋であった。それに、大分短い……と言っても、これは宇治川が大分細くなったせいだけど。

ダムの上から眺め下ろして見た時には良く当たっていた日も翳っている。それに案外、東の空には雲が多い。

橋を渡り、さらに志津川を渡って天ヶ瀬吊橋まで進む。AM8:01。

天瀬吊橋の反対側
天ヶ瀬吊橋の対岸
志津川分岐
志津川分岐で宇治川支流・志津川を渡る

さあ、このまま河岸を朝霧橋まで下れば宇治川周遊の完成だ。

――でも、それならば宇治に3時間もの時間を割り当ててはいない。再度踵を返し、道を引き戻る。志津川合流点まで戻り、左折して宇治川に背を向け、志津川と一緒に車道を北へ向かう。

山あいに細長く、志津川集落が現われた。集落を突き抜けて交差点で左折、林の中、上り坂を上っていく。

やがて左側に見慣れた道標が現われたけれど無視して進むと……

←前のコースへ戻る


 


三室戸寺分岐
三室戸寺分岐
ゴミ
新しい道案内板が立てられたけど背後が…

三室戸寺分岐。4つの道が交わる交差点だ。

そう、前回の5ヶ月前、ここにあった道標では方角が分からず、あさっての方角へ向かってしまった地点だ。

で、今日は雪辱を果たすため間違えた地点から歩き直し。

(サンジヤンは無関係)
見ての通り、πの字。ほとんど90°曲がる
下り坂
志津川集落へ戻る下り坂

ところがなんと、あの指導標が無くなり、代わりに新品の案内板が立っていた!たった5ヶ月で……。

このマップなら間違えようもない。なんか仇が失われたような心境で、今しがた歩いて来た道に引き戻る。設定としては三室戸寺分岐から仏徳山へ上がり、初めて宇治の町へ下りていく、というようなもの。(後註:ちなみに近い将来、さらに岩間~宇治を歩き直したために、結果的にこの日の歩き直しは無用になった)

仏徳山入口
仏徳山入口。天ヶ瀬ダムまで1.6km
黄葉
遊歩道は幅広い。見上げると黄葉も
鉄塔
歩道脇、仏徳山の鉄塔

日の当たり始めた下り坂。途中、右側に仏徳山入口。先ほどチェックしたばかりの道標だ。こちらも新しい。

示された通り進む。こちらも急転回だ。

――じつは今回、この車道の途中に東海自然歩道の仏徳山入口があるのかどうか、100%の自信は無かった。現在、一冊だけ持っている東海自然歩道のガイド本では案内不明瞭であること、1/25,000地図でもコース記載が無いこと、がその理由。そのため、今日、宇治側から別のルートで三室戸寺分岐まで戻ったのは、「入口はあるとしたらこの道」という判断の結果。

結果的に当たりだった。山道になり、12月の日射しも大分仰角が上がって、林の中まで光が射し込んで来る。落ち葉を踏み締めながら、山の中を気分良く歩く。


 


道標マーク
京都府は道標の置き換えに余念が無い…
落ち葉と蛾
落ち葉と蛾

散歩には最適の道。その証拠に、散歩中の何人かとすれ違う。

宇治の街がすぐとは思えないくらい、山道は長く続く。やがて道標に左折を示されると、仏徳山を巻いているであろう道に入った。途中、興聖寺0.4kmの分かれ道があり、400mくらいなら、とそちらに進んでみる。

ところが道は急角度で下り始める。400mは400mでも手強い400mだと悟り、引き返す。

仏徳山山頂
仏徳山山頂。標高132mの三等三角点
仏徳山展望台
仏徳山展望台。宇治の街、そして大阪平野北部が一望

右手に階段。どうやら、山頂も巻いてしまうらしい。コースから少し外れるけど、山頂に立ち寄ってみることにする。

階段を上がると森の中の遊歩道。一番高いところ、と言ってもほとんど平らだ。三角点があるので、たぶんここなのだろう。「京都・文化の森」という解説板が立っているのみ。

戻らず、そのまま尾根筋を北へ向けて下っていく。階段を下りて左から来たコースと合流、右に公衆トイレを見てもう少し下ると、初めて見晴らしが開ける場所に出た。仏徳山展望台だ。PM8:52。

六甲山
真西に見える六甲山(931m)は兵庫県の山だ
大阪平野北面の山々
東海自然歩道が通う北摂の山々。手前は宇治川
平等院
平等院。10円玉で有名な鳳凰堂がある
橘島と朝霧橋
中ノ島のうち橘島と、朝霧橋

生駒山、六甲山から北摂の前衛の山々まで見える。宇治の街は残念ながら日が当たっていない。暫く眺め入っていたい気になるけれど――

まだ、今日は出発地の宇治でぐるぐる回っているだけ。出発すらしていないとも言える。なので、宇治の町を眺めて感傷に浸るのは、また今度。


 


仏徳山遊歩道
仏徳山の登山遊歩道
椎の木
椎の木。宇治市名木百選
休憩所
地上に下りたところの休憩所。良いカタチ…
紅葉
宇治のカエデ

大きな九十九折の遊歩道を下っていく。

――この道は山の西側斜面に付いているけれど、ついに梢の上の方に日も当たってきた。時折、「らしい」紅葉も目に入ってくる。やっぱり12月と言ってもまだ初旬なのだから、紅葉もまだ残っていて欲しいと思うのは当然。

下り切ると、さわらびの道。もっとも宇治らしい小道かもしれない。もっとも、宇治らしい、というのは部外者の視点でしかないのだけれど。

すぐに、宇治上神社に到着した。門の外から境内をちらと覗く。……雰囲気を壊したくないので、中には入らないでおこう。

清め砂
宇治上神社の清め砂

 


宇治神社桐原殿
宇治神社の拝殿
宇治の路地
宇治の路地。住宅街を抜ける

次は宇治神社。東海自然歩道の道標を探すと、宇治神社境内を突き抜け、宇治川右岸に下りていた。久しぶりに――と言うほど時間は経っていないのだけれど――宇治川と対面。

それを確認した後、宇治神社前の路地に引き戻って再びコース逸脱。路地を京阪宇治駅へ向かって歩く。

宇治橋歩道
宇治橋東詰より宇治橋を見る。こちらにも柳が立つ
京阪宇治駅ふたたび
人の戻った京阪宇治駅

そして出発点、京阪宇治駅に戻ってきた。時刻はAM9:22、じつに2時間半近くが経過している。

――相変わらず、駅前に観光客の姿は少ない。まだ時間帯が早いのだろう。12月に入って、観光客が減ったというのもあるかも知れない。ただ、上空は真っ青な大空。まさしく、観光日和。

←前のコースへ戻る


府道247号
宇治川右岸の道は府道247号
朝霧橋袂の道標
朝霧橋の袂に立つ道標は3方向が赤

宇治川右岸の道を上流を目指して歩き始める。

本当に、今日はこの河岸を行ったり来たり。宇治川周遊コースを巡って来た形だけど、大回りすぎて実は宇治神社~天ヶ瀬吊橋の区間が未踏。そこを取りに行くのだ。

離宮水なるものを通過。この道には、さすがに観光客が繰り出し始めている。素晴らしい天気の休日、そりゃあ放っておかれる訳は無い。


 


興聖寺の入口
興聖寺の入口
紅葉のトンネル
琴坂は200mほどの楓のトンネル
興聖寺
興聖寺(こうしょうじ)。曹洞宗のお寺

朝霧橋&宇治神社の前を通過。さらに遡上する。

観流橋を渡る。宇治水力発電所から流れ出でる水を宇治川に繋ぐ水路は、真っ赤なカエデが飾っている。

もう少し進むと興聖寺の入口。もちろん、そちらに進む。琴坂と名のある坂は楓が飾っているけれど、残念ながらもう少し太陽が上に無いと日が当たらないようだ。

――それでも、日の当たっている幾ばくかの紅葉にカメラマンたちが群がっている。それを見て、ここが紅葉の名所なんだなあ、と分かる。

興聖寺の白く鮮やかな山門を潜る。すると、ちょっと異国風の境内。キレイだ。

宇治川沿いのコースへ戻る。さあ、宇治巡りの道もいよいよ大詰めだ。

吊橋から上流
吊橋から宇治川上流。白虹橋も見える
天ヶ瀬吊橋
天ヶ瀬吊橋は本日三度目
宇治川右岸道
宇治川右岸を進む。木立が多い

興聖寺より先、増え始めていた路上の観光客の姿がめっきり無くなった。さすがに、この先の区間は観光地より外れるのだろう。確かに、周囲の光景もやや地味に。

と思ったら、対岸の左岸歩道を、人が蟻のように連なって歩いてゆくのが見えた。大型観光バス3台くらいから吐き出されたのか――もしくは「駅からウォーキング」の類だろうか。行列の長さは200~300m……あの列には突入したくない。

AM9:55、天ヶ瀬吊橋に到着。志津川へ向かう前にわざわざここに立ち寄っていた理由は、宇治川周遊を完成させるため。


 


天ヶ瀬吊橋を見返す
宇治川左岸から天ヶ瀬吊橋を見返す
紅葉谷入口
紅葉(もみじ)谷入口の階段

吊橋は東海自然歩道歩きをやっていると、そう珍しいものではない。ただ、橋上からの見晴らしは格別。朝方はイマイチ日が当たっていなかった山々も今は見違えている。

河岸を左岸に変える。そして今度は下流方向へ歩く。朝、逆方向に歩いた道なので迷うことは無い。

左手に現われたのはもみじ谷入口。――「もみじ谷」の紅葉なら、さぞ素晴らしいに違いあるまい、ということでそちらへ。

紅葉谷
薄暗い紅葉谷。案内板が立つ
白矢印
東海自然歩道の道標が立つ。ただし白矢印

階段を上ると府道に突き当たった。横断すると山道へと成り変わる。

すぐに、小狭い広場に案内板が立つ場所に到着した。その案内は更新中なのだろう、むかしの案内が下に置いてある。東海自然歩道の赤コースが、枝線として宇治側からこの紅葉谷まで伸びている。

ただし、周囲は僅かの紅葉しかない、ただ薄暗い谷――ここで丁度、宇治周遊に予定していた3時間を使い切った。

紅葉谷
紅葉谷を進む
コース合流点
コース合流点
宇治川の釣り人
宇治川に戻った

あまりにも寂しい「紅葉谷」。でも、道はさらに先に伸びている。きっと、この谷の先にこそ素晴らしい紅葉が……。

決断して谷の先に突き進む。緩やかにアップダウンする沢沿い道。ただ、行けども行けども紅葉は僅か。加えて、先ほど宇治川で見た団体さんが前方に現われた。追い抜かすのに一苦労。

――紅葉谷、と名付けられた当時は紅葉で埋まる谷であったのかも知れない。それから長い時が経過したということだろうか? 来る時期が遅すぎただけ、と思いたいけれど、それにしては葉を落とす広葉樹が少ないような気がする。谷底は色のついた落ち葉で埋まっているようなことも無い。

と、急に明るくなると谷の外に飛び出た。車道の先、白川集落が見える。山里の雰囲気だ。そして、そこに立つ東海自然歩道の道標。「くつわ池 3.6km」――それが、これから目指すべき方向。

それを見て逆方向へ歩き出す。10分ほど掛け、宇治川まで舞い戻った。白川~宇治川の道を繋ぐ、ただそれだけのために。

先のコースへ進む→


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