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岩古谷山

- 岩稜を越えゆく道-

 

【踏 行 日】2007年5月下旬

【撮影機材】OLYMPUS E-410, ZD14-54F2.8-3.5, ZD40-150F4-5.6, ZD50F2, CASIO EX-P505

…豊橋駅=(JR飯田線)=本長篠駅-(豊鉄バス)-田口~田口
【アプローチ】JR飯田線・本長篠駅からバスで40分、終点の田口バス停で下りて徒歩5分。
田口~小松口~大通寺~守護神社~和市
★★☆ 小さく登って小さく下りて、大きく登って大きく下りて。寧比曽岳方面の好展望。
和市~堤石峠~岩古谷山~御殿岩~障子岩~鞍掛山~四谷千枚田
★★★ 東海自然歩道三大難所の1つ、岩古谷山の登降は楽しいが要注意。その後の縦走は要体力。
四谷千枚田~仏坂峠~海老峠~宇連山
★★☆ 壮観な千枚田の眺めを後に標高差600mを上がるが、アップダウン多い山稜線で疲れる。
宇連山~愛知県民の森~三河槙原駅=(JR飯田線)=豊橋駅…
【帰路】標高差800mを一気に下る。愛知県民の森ではコース分岐多数だが案内板も多い。

…豊橋駅=(JR飯田線)=本長篠駅-(豊鉄バス)-田口~田口

東近江の空
今日の空。早朝の新幹線の車窓に映ろう

今回は計画にかなり時間をかけた。

何と言っても、岩古谷山には良い気候/天候/時間帯に登りたい。宇連山もそうだ。なにしろ、宇連山は東海自然歩道で富士山が見えるポイント(おそらく)だからだ。田口から宇連山まで一気に進む。そして尾根を伝ってJR三河槙原駅へ下山する。これが最終決定。

早朝の新幹線に揺られながら、本当にこの計画で行けるのだろうか、と考える。270km/hで進む列車の車窓には、雲が千切れて青空がその面積を次第に増やしていく光景が映っている。

少なくとも、天候は目論見通りになりそうだ。……計画の前提条件。

豊橋発飯田線列車
飯田線の南の起点、豊橋駅。AM8:15発
コーチン弁当
遅い朝食。名古屋駅で購入した駅弁

JR飯田線のイメージは南アルプスと中央アルプスの間を切り裂く縦貫ライン。その大展望に憧れつつ、今まで乗車したことは無かった。だけどいつか、ゆっくりと列車の旅をしてみたいと思っていた。

――そして今回、飯田線に乗る。

とは言え、行く先の本長篠駅は100近くある駅のたかだか18個目。さらに今日中に21個目の駅、三河槙原駅に歩き抜けて終了。ちょっと残念だな、と思いつつ、JR豊橋駅のもっとも北の短いホームに立った。

天竜峡行き飯田線列車
AM9:15にJR本長篠駅到着。ホーム南から駅舎へ
JR本長篠駅
本長篠駅は有人駅。乗降もそこそこ多い

二両の電車に揺られること一時間。単線のため数駅に一回、対行列車の待ち合わせが入る。車内の席はそこそこ埋まったまま、車窓も人里の風景が続く。

JR本長篠駅は、そういう意味ではまだ都市部郊外かなという印象。出口は一箇所だけど駅舎は立派で、駅前には民家が立ち並ぶ。

さてバス停は、とキョロキョロ見回す。

田口行き豊鉄バス
豊鉄バス/AM9:25本長篠駅発/田口行き
本長篠駅バスターミナル
別所街道(国道151号)・伊那街道(県道32号)の交じる要所

……が、見当たらない。ヤバい、バスが出るまであまり時間が無い、と焦りつつそのまま真っ直ぐ歩くと、ものの100mでバスターミナル。沿った国道151号線には結構な車の往来がある。

広々としたバス停車場の隅に、ポツンとバスが一台、待っている。


 


田口バス停
田口バス停到着、AM10:04
豊鉄観光サービス
バス停前には豊鉄観光サービス

乗車。AM10:25にバスはゆっくりと動き出した。

伊那街道を走る。バス車内には5、6人の乗客がいる。結構使われてる路線なんだと思ったら、さもありなん、10分ほどの鳳来寺バス停で全員、降りていってしまった。残されたのは、運転手と自分のみ。

乗客を一人を乗せたバスは、さらに30分、山あいの道を右に左にと進んだ。乗ってくる人もいなければ、当然降りる人もいない。最後に上り坂を登りきると、街道の雰囲気。田口の町だ。

田口の街
街道を北に進む。残念ながらSPAR田口店は日曜定休…
設楽事務所前
設楽事務所前バス停。正面には警察署

終点・田口バス停到着。降車。

陽が燦々と照っている。もう五月下旬という、夏至まで一ヶ月しか無い時期なので、AM10時でも太陽の位置はかなり高い。それでも、標高が460mあるため暑いという感じでは無い。涼しくも無いけれど。

いくつかある自販機で飲み物を購入。コンビニは休み。

東海自然歩道案内板
分かりやすい案内板がある
田口屈折点
東海自然歩道の田口屈折点はここ、国道257号沿い

街道を北に進む。街道、と言っても天下の国道。行楽客と思しきマイカーが多い。バイクが序列を組んで走り抜けて行ったりもする。

北に進む。設楽事務所を過ぎ、警察署を回り込むと、東海自然歩道との合流点。

いつもの指導標を探したが見当たらない。だが、すぐに道脇に案内板が見付かった。

 

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田口~小松口~大通寺~守護神社~和市

福田寺への階段
福田寺(ふくでんじ)の入り口
鹿島山
田口の町を一望。丸い形の鹿島山がよく目立つ

AM10:13。空は五月晴れ。

国道を背に、ごくごく短い福田寺参道を前にする。今日歩くのはちょっとハードな山岳コースだけど、まずはそのオードブルの丘越えというわけだ。

細い路地を足を踏み入れる。

福田寺
福田寺境内。広くはないが、キレイに掃き清められていて心地よい

と、すぐに福田寺到着。境内には気持ちの良い木陰があって、そこでは気温がスッと下がったかのような錯覚を覚える。実際、気温が違っているのかもしれない。

奥の方を見ると、庭園と木造「東海自然歩道 便所」がある。それと、目立つように立てられた東海自然歩道コース案内板。「東京まで405キロ、大阪まで599キロ」という標示が付いている。

――そう、ここは東海自然歩道本コースの 6:4の地点と言うわけだ。思えば遠くへ来たものだ。

東海自然歩道案内板
「東京405km 大阪599km」
武田信玄の墓
伝・武田信玄の墓
鹿島山
道標に従って、福田寺を後にする

……などという感傷も良いいのだけど。なにせ、今日はまだ歩き始め。

裏手の墓地に回り、武田信玄のものと言われる小さなお墓を参る。病で国に帰る途中、本寺で療養中に死去。

ただ、資料消失で真相は不明らしい。あの武田信玄公の墓がこんな地味なものと言われたら、そりゃあ、疑いたくなるのも筋だろう。


 


水道施設
水道施設を左に見ながら車道を下る
木漏れ日の車道
車道を伝う。ここでは左の上り道へ

福田寺境内の端から山道に入る。いよいよ本格的な山道か……。

ところが登りはあっけなく終わって車道に出る。林間の木漏れ日の落ちる道。車の往来は無い。

歩いていくと何度か分岐があった。ただ、たいていは案内標識があるので間違えることは無かった。

上り基調で進み、いったん、西方への眺めが開けた地点に出る。標高530m、丘の最上部、という感じだ。とは言え、直ぐに木立に隠れ、あとは道は下り基調。

射干・胡蝶花(決心,抵抗,反抗)
路傍には日陰を好むシャガが咲く
田口の町
ふたたび田口の町に下りてきた

林間から抜け出すと再び見晴らしが良くなった。田口の町だ。学校も見える。

ここからは本当に鹿島山がきれいなドーム型に見える。実は鹿島山は大鈴山稜線の派生ピークに過ぎない、と知っているけど、それはそれ。

木漏れ日の車道
山道を下る。途中から道幅が広くなる
山道へ
山道入り口。道標なければ道と分からない

田口の町には戻らず、コースは左折して車道を再び緩やかに上っていく。田口ともお別れだ。

さらに左折、すこし先で指導標に従って山道に入る。

しばし、林の中の下り。やがて木々を透かして正面、国道が見えてくる。その国道に沿って北に進み、すぐに合流。

国道との合流点
国道合流点。標高430mほどで田口より低い
小松口バス停
小松口バス停。コース案内板も一緒に立つ

車の往来はそこそこ多い。しかも、直線路ということもあってスピードを出してくる。あまり気分の良いものではない。

とは言っても、国道歩きは150mほど。すぐに小松口バス停が見えてくる。仲良く、東海自然歩道コース案内板もある。

時刻表を見ると、一日に田口行4本、稲武行き5本。


 


小松商店
小松商店。隣には小松会館がある
小松入り口
小松集落への入り口。ここから上り坂

AM10:50、小松口。田口より2.2kmの地点。

思っていたよりペースが遅い。もう少し頑張って歩かないと今日のコース踏破も心許なくなる。

国道と別れ、右の小松集落へ上っていく車道に入る。商店があって、自販機もある。暑くなりそうなので、ここで飲料を一本追加購入。

南国ムード?
一瞬、南国ムードを感じてしまった場所
上る
上りだがそうきつくは無い。ここで左折

小松口バス停
斜面に張り付くような小松の集落

曲がりくねりながら上る。道脇には民家が散在し、道端には色とりどりの花が零れ落ちている。まさに春だ。

周囲は茶畑が目に付くようになり、開放的な道となる。正面には鹿島山の丸い山頂部があって、この山の山腹を登っているのだということが実感できる。

そして、背後に奥三河の山々がせり上がってきた。どれものっぺりしていて鋭鋒は無いけれど……あれが寧比曽岳だろうか。

さらに高度を上げていく。

中熊バス停
設楽町営バスの中熊バス停。ただし、このバスは日曜は運休

AM11:03。三叉路に突き当たった。中熊バス停がある。

標高529mの地点。東海自然歩道のコース案内板もある。大道寺はこの上。

案内板には「右手方向の岩古谷山・鞍掛山・塩津温泉までは800m級の尾根歩きで、展望は良いが大変険しいコース」とあって、否応無く期待が高まる。と、その前に…


 


寧比曽岳
中熊バス停越しに西方、寧比曽岳を見る
大道寺
大道寺。小松の集落をじっと見守る

厳しい傾斜を上って、大道寺に立ち寄る。途中、振り返ると奥三河の素晴らしい大展望が目に入った。

引き返して、車道を南方向に歩く。すぐ分かれ道があって、左。カーブを描いて山肌を上がっていくが、道標が茶畑の脇を上っていく小道を指し示しているところで車道と別れる。

人工林
人工林の山道を登る
ミルキーウェイ
林道。輝度差激しくミルキーウェイに…
大道寺
左、鹿島・大鈴山登山口へと向かう

山道。きつい上りに、今日初めて休止をとる。

そして、ヒーヒ言いながら登っていると、デカいレンズ付けた一眼カメラ手にした一行が下りてきた。一体、こんなところで何を撮るの? と、思う間も無く林道。

鹿島山のお中道とでも言うべき道を南へ進む

小松入り口
フラットな林道で守護神社へ向かう
守護神社
守護神社。鹿島山の美林も望める

石積みの指導標
石積みの自然歩道指導標

さらに分かれ道を左。砂利道となる。展望など望むべくも無い深い林の中を進む。ただ、アップダウンはほとんどなく、落ち着いて歩ける道。

左手に鳥居が見えて、守護神社到着。標高710mほど、そして東京まで、ちょうど400km。

もし今日が田口-和市歩きの計画であったら、鹿島山(912m)、そしてその先の大鈴山(1,012m)まで足を伸ばすことだろう。しかし、今日は時間が無いのだ……時間が無くなるような計画を立てるのが悪いのだけど。

林道脇に道標。下降点だ。


 


水場付きの休憩所
水。流れ落ちる水。命の水。
水
水場付きの休憩所を上から見たところ

山道を急下降していると、下方に休憩ベンチとともに "何か" が現れる。

水場だ。清流が苔むした木の樋を伝って、流れ落ちている。

手で掬って、喉に潤いを補充――うまい。水場の水の美味さは、そのシチュエーションに依るところが大きいと知っていつつも、うまい。

5分ほど休んで、再び急斜面に付けられたジグザグの山道を下り始める。

和市登山口
和市登山口の駐車場を見下ろす。12台で満車
岩古谷山
岩古谷山。さらに左に明神山に続く凸凹稜線

200mほどの高さを一気に下るのだから、勿体無いったらありゃしない。林道を越えながら、ひたすら下る。

ようやく展望が開けたと思ったら、そこはもう和市登山口。田口より5.9km。

駐車場は満車だ。そしてその岩古谷山も見える。岩峰、と思い込んでいたけど、実際は緑が濃い。

和市を見晴らす
棚田が多い和市(わいち)の集落を見晴らす
緑の道
綺麗に生え揃った草の道。歩く人、少ない?

指導標は左折を示し、車道には下りずに山裾を巻く方向を指している。

久々の展望を味わいながら歩いていくと、すぐに緑に囲まれ展望は閉ざされる。

駐車場から伸びてきた道と合流。

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