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鳥羽川を西から東へ渡る。
当たったのは4車線の国道256号。このあたりは自然歩道と言うには無理がある住宅地。
岩野田小学校前を通過。その先で右折、細い道に入っていく。
屋根付きの歩道橋が現われた。三田洞歩道橋だ。きっと、小学生の通学路なのだろう、上っていくと左右に防音壁があって外側が見えないようになっている。
……というか橋が長い! どうも、道路を2つぐらいまとめて飛び越している模様。
下り立って、さらに進む。
住宅地の路地を抜けると、また交通量のある車道。見ると、三田洞弘法バス停が立っていた。
交差点を右に曲がって歩いていくと、右に法華寺の参道が現われた。そちらに進む。
三田洞弘法に到着、PM3:01。
遅い時間帯だけど、けっこう参詣客がいる。境内には蓮池のある庭園などもあって、少し滞留していきたいような雰囲気だ。
でも、そうすると文字通り日が暮れてしまう。あっさりと見学しただけで、さらに東に進む。
三田洞神仏温泉の建物は工事中だったけれど、営業はしていた。利用時間AM10:00~PM4:00とある。まだ入れる……でも、そうすると文字通り日が暮れてしまう。さらに東へ。
ここにも白山神社があった。なんか、このあたりは随分と白山神社が多い。それと~洞という名の集落も多い。地域の色だろう。
その先、「ながら川ふれあいの森」。自然公園らしい。車止めゲートを越えて、山あいの、だんだんと狭く、高くなっていく空間を上っていく。
道がうねるようになると、突然「東海自然歩道案内」が現われた。ここのコースが「長良川展望のみち」と名付けられている。道標の指し示す先は――山道。斜面をジグザグに登っていく道だ。
急激に高度を上げる。おかげで、再び西日が届くようになってきた。加えて、道脇のシダや立ち並ぶ松で雰囲気が凄く良い。今日初めて、自然歩道らしい山道だ。
――と、最初こそテンションが上がったものの、階段の多さに次第に足が上がらなくなってくる。見通しが良いのが災いして、前方に果てるともない階段が丸見え。
地べたに座り込んで飲み物で喉を潤す。見通しが良いので、眺望も良い。さすが。
やがて辺りの木々も濃くなる。もっとも、傾斜は緩くなって、一息。
と、ピークに到着した。標高375mの権現山と書いてある。今日の最高到達点はここ。
ちなみに、道標には百々ヶ峰が示されていて、尾根伝いで歩いていけるらしい。ただ、今日は止めておく。気になる山名ではあるけれど。
下る。冬の日没は早い、もうすぐ本当に日が暮れてしまう。急ぎ足。
ほどなく、車道に合流した。広場状になっていて、ベンチもある。白山展望台だ。PM3:56。
――北方の眺望は見事! 雪を被ったアルプスの稜線が一望だ。ひときわ存在感があるのが木曽御嶽山。山体が大きすぎて、上の方は雲を被っている。
その右手には、中央アルプスの白銀の稜線が綺麗に連なる。木曽駒ヶ岳から空木岳への中央アルプス屈指の縦走路――あそこを死にそうになりながら歩いたのは何時のことだったろうか?
今は、ひょいと指でなぞれる。
「白山展望地」説明板も立っている。
――ただ、先のコース案内板もそうなのだけど、当たり前のように「白山が見える」と書いてある。でも、計算上、白山は山並に隠れて見えないはずだ。標高がちょっと足りない。
とは言っても“白山連峰”の南端に近い山・大日ヶ岳は見える。白山展望台の名は、ちょっとオマケ付きで、と言ったところか。
白山展望台の南側の下り口から、急下降の下り。――展望台で少し長い時間、風に当たっていたせいで身体が冷え込んでいる。
いったん車道に出るも、階段を下っていくと公園の趣き。荻の滝自然公園だ。人の姿も見られる。
荻の滝を後にし、松尾池公衆トイレを過ぎると、すぐに松尾池。コースはその手前で引き戻るように曲がっていくけれど……ココを見逃す手は無い。
松尾池を一周する道もあるようだ。今の季節では池の周りの木々の葉が落ちているけれど、新緑か紅葉の時期は素晴らしいだろう。その時期にぜひ再訪したいものだと思う。
道を戻って、長良川展望台へ向かう山道に入り込む。
最初こそ幅広の歩きやすい道だったものの、すぐに急勾配の登山道になる。白山展望台から松尾池までいったん大きく下ってしまったため、登り返すのは精神的に辛い。しかも、日没と競争しながらなので、なおさら。
ぜいぜいと息を吐きながら登っていく。――だいぶ高度を取り戻してきた。と、同時に展望も開けた。本当に、大展望コースだ……。
まだ5時前だけど、日は落ちてしまったらしい。でも、空はまだ夕焼けていて、それをバックにした長良川と金華山のシルエットが美しい。今日のグランド・フィナーレとしては申し分ない光景だ。
さあ、日没後の暗い山道を伝って下山しなければならない。もちろん、ヘッドランプは持ってきているけど……。
と、ベンチが現われた。柵で囲ってある。
ここが長良川展望台だろうか。確かに、まさに眼下に長良川が見える。「長良川」説明板もある。
もう気分は下山モードだったのに、またもや時間を潰してしまう。――本当に、眺めているだけでも時間が経ってしまう。街には明かりが灯り始める。
とは言え、“寒さ”が耐えがたくなってきた。背後に気を残しつつも、下山道に入る。
……もう薄暗いどころでは無い。道脇の木々が濃く、空のほんのり残る光も届かない。ほとんど夜道だ。足許に注意しながら下って行く。
やがて林道に出た。
さらに街灯のある車道に出た。右折。
途中、集落入口らしきところに出たけれど、道標は直進を指している。直進する……と長良川沿いの県道に出てしまった。この暗さで左に曲がる道を見逃したらしい……。
引き戻って、途中で曲がり、古津集落に入る。
ブドウ畑の道を進んでいく。闇の中、なんとか道標を捉え右折。再び県道に出る。
もうここからは県道歩きみたいだ。夕方で車の往来は至極多い。気を付けながら道の端を歩いていく。
上空に千鳥橋。のしかかるようなそこに階段で上る。時刻を確認――PM5:43。
そして、ついに長良川を渡る。
金華山の山頂に建つ岐阜城がライトアップされ、闇夜の灯台のように輝いている。金華山もこれで見納めか。
橋を渡り切ると道標は鋭角に右折を示していた。長良川左岸の遊歩道に下り立つ。もう、真っ暗。さすがに、ヘッドランプで道を照らしながら歩いていく。それにもう、かなり寒い。
途中で右折して、長良川からも離れる。
県道を潜って車道を真っ直ぐ進み……迷った。道標が見当たらない。
ライトでよく周囲を照らしながら戻る。道標発見、やはり行き過ぎていた。「なに探されてますか?」と、闇の中、声がかかった。ちょっとびっくりする。散歩中のおじさんらしい。暗くて、顔は分からないけれど。
道を探していたことを伝え、別れる。
清水山方向へ北上、道標を捉え左折……と、右の道から誰が歩いて来た。なんと、先ほど会ったおじさんだ。家がこの先とのこと。
同じ道なので話をしながら一緒に歩く。「へえ、大阪から歩いているんですか。前はここにも列車が通っていたんですけどねえ……」。
別れて少し行くとカーブミラーの突き当たり。PM6:17。
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左折。国道へは真っ直ぐ出れないので北へ向かって少し歩く。自販機のあるY字路で曲がる。……どうも、また間違えたらしい。国道に出るには出たけど、目印の歩道橋が見当たらない。もっと北にそれは見えた。
国道を歩く。すぐに下芥見バス停。バスの時刻を見ると……もうすぐやって来る。歩き直すのは止めてバスを待つことにする。
だって、寒いんだもの! さっさと暖房の効いたバスの中に逃げ込みたい……。
バスがやって来た。乗り込むと、岐阜駅に向かって走り出した。
――今日の道は前半こそ地味で退屈だったけれど、後半は素晴らしかった。これだから、なかなか東海自然歩道歩きは止められない、なんて。そんな感想。