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泉原~忍頂寺~竜王山(510m)~車作~竜仙の滝~荻谷~摂津峡

泉原の道標
泉原の道標。民家の庭先で埋もれかけている
蜜柑
たわわになった蜜柑の木

泉原。東海自然歩道を西から歩き始めて当たる、最初の集落。

……でもって早速、迷っている。道が幾つもあると道標がどこか見当が付かない。地図にも、そんな細かい道は載っていない。5万分の1縮率なら、なおさら。

とりあえず住宅街に引き戻ってコースを探ることにする。きっと山際の方だろう。

集落の中で突き当たって、そこに運良く道標を発見――こんな感じだと集落歩きはちょっと骨かもなあ、と思う。

すぐに素盞鳴尊神社。

素盞鳴尊神社
素盞鳴尊神社。読み方は知らない。コースは右
溜池
林に入る手前にあった溜池

東海自然歩道を西から歩き始めて最初に当たる寺社、ということになる。ただ、集落付きの普通の寺社で、見物すべきものかどうか扱いが良く分からない。とりあえず、通過。

棚田を過ぎると林間の小径。道は平坦に近くて歩きやすく、適度な木漏れ日もあって気持ち良い。腹が減ってきたのでパンなどをパクつきながら歩く。

府道出合手前
林から出て視界が開けると、府道が左右に走る
府道出合
標高355mの府道出合。案内板と石碑が立つ

同じく自然歩道を歩いていると思しき人を発見、だけど、ペースが速くて置いていかれる。自然歩道ウォーカーって皆、こうなの?

林はあまり続かずに再び視界が開けた。出たところは、山あいに広がった田園地帯。向こうに見えているのは府道110号だ。

合流地点まで進む。横断した先、立派な歩道案内板が立っていた。時刻はAM11:31。


 


上音羽への道
上音羽へは農道のような細い道で向かう
鈍く輝く
鈍く輝く黄葉

小広い谷あいの道を、左に並行して走る府道から付かず離れず進む。左手は棚田で右手は林。まったりとした歩き――晩秋のお昼時、空気は結構冷たいけれど、日射しには温もりが感じられる。

……でも、好天気の秋の日の昼前に、こんな平坦な道をのんびり歩いていることに、自分のハイカーの部分が不安を感じている。山行なら今頃、山頂手前の急勾配をひいひい言いながら登っている時間帯だ。どうもまだ、自然歩道歩きには慣れない。

それでも歩は進む。疲労感は感じられない。楽、と言ってしまえば楽。ただ、舗装道ばかりなので足裏が痛くなりそう。履いているのはトレイルランニング・シューズ。車道ばかりだと、靴裏のソールの減りが気になってくる。

竜王山
竜王山。低山、というより……小山?
上音羽屈折点
上音羽屈折点。標高は380mほど

バス停のある上音羽で府道合流……という直前、180°のターン。ここが上音羽屈折点。

以降、静かな林道の歩き。勾配も大したことはない。木立に囲まれ退屈なので、今度はお握りなどをパクつきながら歩く。車が来る心配も無さそうだし。

と、正面に展望が開けた。見えたのは、まあるい形の竜王山。

その後、道は下りとなって――いきなり竜王山荘の前に出された。

竜王山荘前
竜王山荘前に出たところ
忍頂寺バス停
忍頂寺交差点。左に忍頂寺バス停

これが山荘? テニスコートや野球場を擁している山荘って一体……。駐車場の車の出入りも頻繁。自分のイメージする山荘とは、まるでマッチしない。

その前を左折するとすぐに忍頂寺交差点。信号機もあって車の往来が激しい。それもその筈、横断するのは府道43号・清阪街道だ。

その向こう、竜王山参道の石の鳥居と石段が見えている。――さしづめ、竜王山登山口、といったところだろうか。


 


竜王山参道鳥居
鳥居の階段。海抜315m地点から始まる
忍頂寺解説板
階段の終点の車道。「忍頂寺」解説板が立つ

地図を確認すると、竜王山山頂はここから200m上空にあることが分かった。そして、その階段の下の指導標にも、この階段を上れとある。間違いは無い。

階段を一気に上る。この先は登山道の山道に繋がっているのだろうか。

……という期待は裏切られ、階段の上にあったものは変哲の無い車道。そこに立つ道標の指し示す先も、やっぱり車道。竜王山を今日の登山ターゲットにするという目論見は一気に萎えた。

紅葉と電信柱
見事な紅葉だけど……電柱が邪魔
紅葉と黄葉
紅葉と黄葉
参道2
竜王山への上り。広葉樹も見られる

車道の勾配を上がる。低山だから植林の山か、と思っていたけれど、ところどころ紅葉も見られる。車道ベタ上りとは言え、これはこれで悪くは無い。

途中、蛙岩という蛙に似ていると言われる岩もあったけれど、こちらは微妙……。どちらかと言うとマンガに出てきそうなカエルだ。

道は曲がりながら、さらに上っていく。高度感も出てきた。大阪平野側が見晴らせる箇所もあった。――朝方よりも多少空気が晴れたかも知れない。大阪中心部の高層ビル群が林立している姿が見える。

宝池寺駐車場
右、宝池寺駐車場と公衆トイレ
蛙岩
蛙岩。直下に解説板も立っている

道はやがて、石の階段の参道と車道に分かれた。車道側にはきれいな公衆トイレ、参道には枯れたアジサイ――なんとなく寂しげだ。

参道の方を上っていく。それでも、山登りという感じはしない。ほどなく宝池寺に到着。……忍頂寺では無く、宝池寺だ。てっきり忍頂寺参道を上っていたと思っていたので、慌てて地図を開く。

どうやら、忍頂寺は山麓にあった模様。気になる名前のお寺だったのに残念……。


 


宝池寺
参道を登りきって宝池寺。登山道はその左側から
オレンジ
展望台から見下ろす竜王山山頂のモミジ
竜王山の展望台
竜王山展望台。周りにはモミジの植樹

それはそうと、ここからは待望の山道だ。早速、登り始める。久し振りの土の感触が足裏に心地良い……。

ところが、手摺のある上り坂を1分ほど登り、次に右に曲がって平坦な山道を1分進んだだけで、あっけなくてっぺん――竜王山山頂に到着してしまった。

木立の中のちょっとした広場としか思えない。散歩の身なりのおばさん達がベンチで談笑している。それと、ここには無相応に立派な展望台があって、地上に君臨するかのように高く、高く聳えている。

――まあ、都市近郊の低山なのだから、こんなものなのかも知れない。時刻はPM0:17。

竜王山からの眺望
展望台からの見晴らし。高槻・茨木あたりの大阪平野北部が中心

展望台に昇ってみる。木造だけれどもしっかりした造り。ぐるぐる回りながら昇って、最上部の展望台に到達。

――角度で言うと180°くらいの見晴らしだろうか? 今日歩いてきた最勝ヶ峰の稜線から大阪平野、高槻・茨木の街、生駒信貴、そして今度目指そうと思っているポンポン山までが見えている。

ただ、もう少し空気が澄んでいればもっと遠望が利いたのだろうけど。今日は生憎ダメ。


 


大阪中心部
大阪中心部への眺望
大阪湾岸部
大阪湾岸部への眺望
大阪平野北部
大阪平野北部への眺望。新幹線も通る
黄葉
登山道は林だが広葉樹も混じる

山頂で15分ばかり滞留した後、下山開始。

急斜面の山道をずんずん下る。が、途中で山頂の三角点を踏むのをすっかり忘れていたことに気付いた。さあ、どうしよう? 時間もあるので戻るか。

一転して急斜面の登り。体力が余っていたので駆け上る。今日初めてゼイゼイと息を継ぎ、汗も噴き出してくる。

山頂部に再到着。そして、ようやく得られた「登ったぞ感」。三角点は――

竜王山三角点
竜王山の三等三角点。標高は510m
竜王山標示
木立の向こうに登山道と道標

三角点は山頂の裏の木立の中にあった。とても地味で、30分のロスをしてまで、というようなものでは全然無い。

ただ、こういうのは気分の問題。いちおう今日の登山ターゲットはこの山なのだから、山頂をしっかり踏んでおくという儀式を執り行なっただけ。

――それでも、まだなんか消化不良だ。まあ、仕方ないかなあ。


 


下山道
山道を下り切ると展望が開ける

先ほどと同じ下山道に再突入、展望の無い林間の山道をひたすら下っていく。階段は多いけど、車道や参道を上がるよりかはずっと登山道らしい道。

もっとも、15分ほどで山道も尽きて車道に出された。東側の登山口だ。まあ、この山はこんなものだろう。

ここから先は車道で山を下っていく。

竜王山登山口
竜王山登山口。階段の多いコース
竹の車道
車道を下る。竹の密生する箇所も
車作を見下ろす
車作(くるまつくり)集落を見下ろす
大阪の都市部
大阪の都市部を透かし見る

このあたり、茨木市の「竜王山自然歩道」が絡んでいて、その道標もある。ただ分かれ道も多く、歩いていて道が合っているか不安になることも。道標の無い分岐では、とりあえず下る方を選択。

――どうやらコースキープは出来ているようだ。車作の集落を見下ろせる箇所に出た。この集落は山の中の凹みに広がっている。その山際の向こう、真っ平な大阪平野の街並みが覗いているのが見透かされる。まだ遠い。

車作解説板
「車作」解説板。やたらでかいが、字だけ
車作を抜ける
車作の集落を抜ける。指導標もあり

その里と街との紙一重感が、なんと言うか、そそる。

――それにしても泉原からこちら、平野部から少し山に入ったところをなぞるようなコース採りだ。散歩気分で歩ける気楽さはあるけれど、個人的にはもう少し奥山に攻め入りたい気分。

車作集落の路地を抜けていく。その後、針路は再び北になり、街から離れていく方向。ただ、道は下り基調。林間で薄暗い。


 


竜仙峡
府道46号・茨城亀岡線と竜仙峡
北山・竜王山自然歩道の始点
北山・竜王山自然歩道の始点となる三叉路
黄葉の山
正面、黄葉の山。良く陽が当たっている

途中、林の合間から安威川の渓谷・竜仙峡と、それに沿って走る府道46号が見下ろされた。なんかまた、とんでもなく山奥に来たような雰囲気だ。

逆に言うと、だだっ広い東京の平野では、大阪のような山と都市の近さが無い。考えてみれば、日本のような山国では都市部と山がごく近かったりするのが普通だ。そういう意味では、関東平野の真ん中に君臨する東京という都市はある意味可哀想かも、と思う。確かに東京には都市公園がいっぱいあるけれど、公園はしょせん、公園に過ぎないし……。

山の東側に回り込んだため、日が陰る。車作大橋に向かって、ゆっくりと、途中からは急激に高度を下げる。

あと少しで下り切るというところに三叉路。茨木市の3つの自然歩道と交わる要所らしいのだけど、東海自然歩道は右。下り切って府道46号に合流。

車作大橋
標高135m地点にある車作大橋
府道46号
府道46号を行く。左に安威川

トンネルと逆方向に車作大橋、PM1:36に到着。案内板が立っている。

どうやら、ここから山伝いの健脚コースと林道伝いの一般コースに分かれるらしい。で、健脚コース選択。もともとのコースはこちらっぽい、という理由で。

ところが歩き始めると、車の往来の多さに辟易。雨の日は絶対歩きたくない、と感じる。もしかしたら一般コースはこの車道歩きを避けるために設定されたのかも、と思えるほど。


 


竜仙の滝入口
府道に開いた、竜仙の滝への入り口
竜仙の滝
落差13mの竜仙の滝。消えそう

すぐ左に安威川を置きながら暫らく進むと、右手山側に道標があった。車が来ないことを良く確認して道を横断する。沢沿いの薄暗い山道に入りこんで、ようやく一息。

山の中、急坂を進む。陽が翳って薄暗い木立の中、眼前に現れたのはの竜仙の滝。

――ただ、解説プレートがあって、初めてそれと分かったほど。と言うのはこの滝、残念ながら水量がほとんど無い。しばらく雨が降っていないからなのか、それとも単なる水源の衰退なのか……。

後者であればコースが複線化した理由の1つに当たるのかも知れない。今の時期は紅葉も散った後。訪れる人も無く、物寂しさばかり。

コースの先を探したけれど、道標が無くて少し迷う。滝を高巻くように急上昇するような細い道――これだろうか? 見当つけて登っていく。

……どうも、正解らしい。これまでの道のりに比べると、やや足場が悪く危険かも知れない。コースが複線化した理由は(以下略)

山道
樹林帯。細かい分岐に注意
竜仙峠
竜仙峠の武士(もののふ)自然歩道分岐。標高360m

思いの外、上りが続く。さすが健脚コース、と言うだけのことはある。ただ、高度を得たおかげで、再び陽射しが入り込むようになってきた。あたりは深い樹林、雰囲気もなかなかだ。

勾配が落ち着くと、ほどなく竜仙峠。ここで車作大橋から一緒だった茨木市「武士自然歩道」が南に向かって別れていく。東海自然歩道は東へ――。

荻谷と府道115号
府道115号。車が列をなして駐車している
荻谷
荻谷。標高は230mほど。バス停もある

既に高槻市に入っている。今日、北摂で3つ目となる行政区。山道を下っていくと棚田が現れて、その横幅が次第に広がっていく。やがて前方に車道が見えてきた。

PM2:22、その府道と合流。ここは荻谷というところ。健脚コースと一般コースの合流点。

――コース案内板が立っていたのに、団体ハイカーが取り囲んでいて近寄れない。


 


運動公園へ続く車道
いったん運動公園へ続く車道に出る。
植樹
荻谷総合公園の植樹が色付いている

道標だけ確認して、府道の裏手の車道へ。ここから大阪平野に向かっての南下が始まる。もはや「帰路」という感覚。

林を抜けると集落。民家の間の細い路地を抜けると竹林の薄暗い山道になった。それもすぐに尽きて、車道に上る。一瞬、府道かと思ったけれど、違った。

その車道を少し進むと、緑色の芝の色が視界に飛び込んできた。サッカー場だ。そう、ここは荻谷総合公園の領域。

荻谷総合公園サッカー場
荻谷総合公園サッカー場。野球場も併設されている

それにしても良く整備された綺麗な公園。きっと、造成されてからまだそう日が経っていないのだろう。植樹された木々の色付きも、森林の中でみるそれとは一味違う。こちらのは、庭園的な美しさ。樹木の配置・色付き方が揃っている。人工的、と言えば人工的であるけれど……。

その向こう、大阪平野の市街地が間近に覗いていた。今日はあとはあそこに戻るだけか、と思うと正直、歩き足らなさを感じる。頑張って登っているうちに調子が出てきた、と思ったら下り道に切り替わってしまう、というコースの特徴がそう感じさせるのか……。最勝ヶ峰・竜王山・竜仙峠、思い返してみると、すべてそうだった。

サッカー場前のゲートを横目に、さらに南下。サッカー場と野球場の間の道に入る。もう、完全に公園の中の道。

公園の歩道1
公園の歩道を下っていく
荻谷総合公園
まだ人出のある公園正面を通過
公園の歩道2
木道。荻谷総合公園を貫く?

木立の中、ボードウォークなどもあるけれど――時折、運動場から歓声が聞こえてくるので、もはや雰囲気的に自然歩道という感じゃあない。

また車道に出た。公園内車道だ。そこに見晴台があったので、何が見えるのか気になってちょっと立ち寄ってみた。

眼前に見えたのは――意外にも変電所施設であった。見晴台から変電所を眺める、というのも変な感じだ。


 


北大阪変電所
高台から、北大阪変電所
公園の周回道
公園の周回道の南端。西日がキツい

たしか武士自然歩道は確かあちらを通っていたっけなあ、とだけ思って、コースに戻る。ここからまた下りだ。

整備された道をジグザグに下りていく。下り切ると、周囲は再び自然に包み込まれた。よくもまあ、コロコロと変わる……。

水路に沿って進んでいく。と、今度は急な上り道となる。そこで、足にそれなりに疲労が蓄積されているのを感じる。

摂津峡への降り口
摂津峡への降り口
白滝
摂津峡の白滝。厳冬期には凍り付くとか
摂津峡の黄葉
摂津峡の黄葉と遊歩道

車道に出た。そのまま坂道を上って行くと、左手に摂津峡の下り口が現われる。コースの先がそちらだと示す道標も一緒に立っている。先は急下降。

ひょい、という感じで下りる。

谷あいの道となって、次には細い沢が現れる。それと、比較的平坦な摂津峡公園の遊歩道が。ただし、ひと気が無い。

と、言うのもこの季節・この時間帯では日が射し込んでこないからだ。紅葉は散見されるものの、なんとなく薄暗くて、寂しげ。白滝も、地味な佇まいで水を落としていた。

もう少し進むと散歩の人の姿がちらほら現われ、やや観光地っぽくなってきた。ほどなく白滝茶屋に到着、PM2:55。

――ここは大阪平野の「ふち」に位置する。箕面も「ふち」だったので、結局、今日は北摂の山の中を一巡りして戻ってきた形。


摂津峡白滝茶屋
標高130m、白滝茶屋のT字路。左折が東海自然歩道

ここで今日一日付き合った東海自然歩道ともお別れだ。

ただし、次のコースもいちおう歩く予定にしている。それなりに標高のあるポンポン山を通るルート、普通にハイクコースだ。せっかくなら、今日歩いた東海自然歩道の続きから歩き継いでみようと思っている。

――たぶん、近いうちに。

先のコースへ進む→

摂津峡~塚脇-(高槻市営バス)-高槻駅…

白滝茶屋を後に
白滝茶屋を後に、渓谷沿いを南下開始

「紅葉」という目的に対しては、今日はまあまあ。

ただ自然歩道ウォーキングとしては、結局、気分をどこで盛り上げたら良いか分からなかったままだったかも知れない。

――ピークを目指す山歩きならそれは明確だ。人里から歩き始めて次第に人工物が減っていくアプローチ、登山口からは登り一辺倒、数時間歩いて見晴らしが開けてくるとともに気分が盛り上がり、山頂に達すると雄大な眺望を目にして強い達成感、そんなようなプロセスがこちらには無い。自分でテンション・メイク(造語!)しないと、だらだらと歩いてしまうだけになる。

逆に言えば、気張らず散歩気分で歩くには良い道、ということになるのだろう。要所要所に、交通機関との接続点が用意されていることだし。

摂津峡
摂津峡

――とは言え、歩き足らない感。だって、丹沢の東海自然歩道は本気で山登りコースだった。本来の東海自然歩道は、いったいどっちなのだろう? とりあえず判断保留して、次のポンポン山コースを待とう。今日のコースだけじゃあ、やっぱり分からない。

まだ日が高かったので摂津峡公園を散策。白滝の先から人が増えていたけれど、ここでは家族連れも多く目にするようになっている。

川下に向かって進む。峡谷にへばり付くようなホテル山水館を背後にすると、川の流れも穏やかになってくる。

ちなみに、摂津峡公園とは摂津峡の右岸に広がる37.2haの風致公園のことだ。従って、この渓谷は公園の一部でしかない。

摂津峡公園の楓
摂津峡公園の紅葉。午後3時過ぎ、もう斜陽が差し込む晩秋
斜陽
この公園はトイレもきれい

「約3,000本の桜、約420種の植物、野鳥13種」

高槻市民の、というより大阪府民の憩いの自然公園、だと感じる。

摂津峡公園を出て塚脇橋で芥川を渡ると、目の前にはまっ平らな田園地帯が広がった。

――遂に大阪平野へ戻ってきた。

芥川を渡る
芥川を渡ると、あとはただ、ただ平地
かじか荘
摂津峡の入り口にある旅館・かじか荘を見返す

下の口バス停をパスしてさらに歩く。途中には日帰り温泉もあったけれど、いかにも街の日帰り温泉っぽいので一瞥したのみ。

0.4kmほど歩くと塚脇バス停。――ここも通過。やっぱり、夕暮れ時という一番いい時間帯を見逃して帰るなんて、勿体無くて出来ない。

周囲は住宅地の光景、さらには街の光景へと移ろい変わっていく。


 


塚脇バス停
塚脇バス停。比較的、便がある
宮之川原の寺社
宮之川原の寺社
寺社の紅葉
長楽寺か聞力寺か。申し訳ないが分からない
銀杏の黄葉
浦堂あたり。銀杏の見事な黄葉
幻日
幻日。虹彩のある幻の日

と、空に太陽とは別の光点があることに気付く。あまりハッキリはしていないけれど――幻日だ。れっきとした気象現象だけど、人生で数度しか見たことは無い。 駅まで歩こう、と思ったことが僥倖。

ただ、駅までの道中は長く、総じて退屈。何度もバスに追い越されていったけど、ここまで来たら最後まで歩き通さないと悔しい。

周囲は普通の街中。車の走る騒音を常に耳にしながら歩道を歩く。今日は静かな道ばかりだったので、普段聞き流している騒音がやけに耳に付く。

――街は、本当にうるさい。

高槻駅前アーケード
駅前のアーケードを行く
JR高槻駅
JR高槻駅の南口から。今日一日、ほんと良く晴れてくれた

JR高槻駅に到着、PM4:25。新快速も停車し、大阪・京都へのアクセスはひじょうに良い駅。

でも、まだだ。さらに商店街を5分ほど歩いて阪急高槻市駅まで進む。街中は人で溢れ、雑然とした活気に満ちていた。

もう、いい加減歩くのはここまでで良いだろう。切符を買って改札を潜った。

――結局、今日も長く歩いてしまった。いや、最後は無理やり長くしたのだけど……まあ、そこそこ疲れた。帰って、風呂と美味しい食事にありつくとしよう。

 


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