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(山行年'05)

聖岳ひじりだけ

(3,013m)

聖岳
右の鋭鋒が聖岳だが――大沢岳・中盛丸山・兎岳の2,800m稜線に山体をほとんど隠されている。尾高山より東南東に見る。5月上旬
聖岳山頂
6月中旬の山頂。雪は奥聖岳への稜線などに多く残っている。背後は赤石岳

南アルプス・聖岳は日本アルプス最南端の3,000m峰。標高3,013mは第21位。百名山の中では14番目。

日本最南端の3,000m峰――と良く間違えられます。さらに南に3,776mの富士山があるのを忘れられてのことです。もっとも、富士山は別格なので除外してしまって良いような気もしますが。

山容は、その名前に示されるように尖っています。丸い山頂の多い南アルプスにあって、この鋭さは貴重。もっとも、槍ヶ岳などと比べると聖岳のそれはただ三角なだけで、尖ってると言うほどのものでは無いかも知れません。さらに、尖って見えるのは東や西から見たとき限定だったりもします……。

赤石岳から聖岳
そして赤石岳山頂から見返した聖岳。この方角からだと鋭さの欠片も無い…。8月中旬

南アルプス南部の山とあって、アプローチは厳しいです。東に位置する椹島(さわらじま)が起点になりますが、そこに至るだけでも大変。

西側の基点は西沢渡。車で到達可能ではあるのですが、こちらのアプローチにも難があります。とにかく、西沢渡までの林道がひどいダート!車高のある車でないと厳しく、4WDはほぼ必須……と走りながら感じたのですが。今では改善されているでしょうか?

苔むした道
山の中腹では緑なす原生の森
赤石岳・聖岳
左が(低く見える)赤石岳、右が聖岳。愛知県は宇連山より北東に見る





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聖岳から富士山を見よう!

聖岳から富士
山頂より。さすがに、富士は大きい

日本アルプス最南端の、と言っても、じつは富士山への肉薄度は荒川岳、赤石岳に遅れを取っています。つまり、聖岳は最南端であっても、少し西にずれているので富士山から遠くなっているのです。

……と言ったところで、じつは荒川岳~聖岳~北岳まで、富士山との距離は52~56kmと、ほとんど同じくらいの距離に収まっています。南アの高峰で富士山を遠巻きにしている格好。

さて、聖岳周辺の富士可視情報ですが、前聖岳~聖岳~奥聖岳の稜線上からは眺望可能。もう少し下って、西沢渡からの登山道と稜線との出合いの上から見え始めるようです。

ただし、聖平まで下ってしまうと、もう見えません。白峰南嶺の稜線に隠し立てされてしまいます。

聖岳から東南東
聖岳から東南東の見晴らし。富士山はまだ少し南の方に見える。f=28mm相当
聖岳からの展望
聖岳からの360°の展望。西は恵那山から始まり、白峰の中央アルプスの左右に御嶽山と北アルプス、北方は近景に大沢岳から百間平、さらに仙丈岳を左に置いて赤石岳の巨大な山体、東には奥聖岳~聖岳稜線と富士山、そして南は南アルプス深南部を背後に上河内岳~茶臼岳~光岳~池口岳、そして奥三河の山々

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聖岳を日帰りで歩こう!

西沢渡
西沢渡は渡渉する。これに人が乗れるかは不明
聖光小屋
西沢渡の聖光小屋。駐車場は広い(車中泊のみ有料)

マイカー登山なら、西側にある聖光小屋を基点にすることで、聖岳日帰りは不可能ではありません!

聖平小屋
聖平小屋。稜線から東側にある
登山道
西沢渡からの登山道。このような道が続く

……とは言え、聖光小屋のある西沢渡から聖岳山頂までのピストン往復はコースタイム15時間余り、標高差2,000mという厳しさ。しかも、コースは単調な森林帯直登で、稜線に出るまでは視覚的にもあまり変化がありません。まさしく、忍耐の登りを強いられます。日帰りで攻める場合はそれなりの覚悟が必要。

もちろん、正解は稜線にある聖平小屋一泊です。


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