

南アルプス・聖岳は日本アルプス最南端の3,000m峰。標高3,013mは第21位。百名山の中では14番目。
日本最南端の3,000m峰――と良く間違えられます。さらに南に3,776mの富士山があるのを忘れられてのことです。もっとも、富士山は別格なので除外してしまって良いような気もしますが。
山容は、その名前に示されるように尖っています。丸い山頂の多い南アルプスにあって、この鋭さは貴重。もっとも、槍ヶ岳などと比べると聖岳のそれはただ三角なだけで、尖ってると言うほどのものでは無いかも知れません。さらに、尖って見えるのは東や西から見たとき限定だったりもします……。

南アルプス南部の山とあって、アプローチは厳しいです。東に位置する椹島(さわらじま)が起点になりますが、そこに至るだけでも大変。
西側の基点は西沢渡。車で到達可能ではあるのですが、こちらのアプローチにも難があります。とにかく、西沢渡までの林道がひどいダート!車高のある車でないと厳しく、4WDはほぼ必須……と走りながら感じたのですが。今では改善されているでしょうか?


聖岳から富士山を見よう!

日本アルプス最南端の、と言っても、じつは富士山への肉薄度は荒川岳、赤石岳に遅れを取っています。つまり、聖岳は最南端であっても、少し西にずれているので富士山から遠くなっているのです。
……と言ったところで、じつは荒川岳~聖岳~北岳まで、富士山との距離は52~56kmと、ほとんど同じくらいの距離に収まっています。南アの高峰で富士山を遠巻きにしている格好。
さて、聖岳周辺の富士可視情報ですが、前聖岳~聖岳~奥聖岳の稜線上からは眺望可能。もう少し下って、西沢渡からの登山道と稜線との出合いの上から見え始めるようです。
ただし、聖平まで下ってしまうと、もう見えません。白峰南嶺の稜線に隠し立てされてしまいます。


聖岳を日帰りで歩こう!


マイカー登山なら、西側にある聖光小屋を基点にすることで、聖岳日帰りは不可能ではありません!


……とは言え、聖光小屋のある西沢渡から聖岳山頂までのピストン往復はコースタイム15時間余り、標高差2,000mという厳しさ。しかも、コースは単調な森林帯直登で、稜線に出るまでは視覚的にもあまり変化がありません。まさしく、忍耐の登りを強いられます。日帰りで攻める場合はそれなりの覚悟が必要。
もちろん、正解は稜線にある聖平小屋一泊です。