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(山行年'00,09)

間ノ岳あいのだけ

(3,190m)

間ノ岳
曙光の間ノ岳。左、三峰岳の上に被さる仙丈岳、右の稜線に北岳・八ヶ岳、と名だたる山々を従えている…。8月中旬、西農鳥岳から北に見る
白峰三山
白峰三山。中央左、間ノ岳の肩に北岳の鋭鋒、中央右、ゴテゴテした農鳥岳。9月上旬、塩見岳から北東に見る

南アルプスは白峰三山の真ん中の山。標高は――14/04付けで1m高くなって、3,190m。なんと穂高岳と並ぶ日本第3位の高さになってしまいました。実際に高くなったわけじゃないんですけどねー。

間ノ岳はとにかく、山らしい大らかな山容で重量感があります。山頂もそのスケールに合わせる様に広く、また、全方位へ素晴らしい眺望を持っています。頂上付近には雪田が遅くまで残り、初夏にはそこにお花畑が広がります。それだけを見ると単独で登られても良い山なのですが……。

ところが実際のところ、歩かれるのはほぼ確実に北岳とワン・セット。さらに農鳥岳を合わせた白峰三山縦走が人気となると、間ノ岳は名の通り縦走途中の「間の山」。通過点として通り過ぎる山となっています。「日本で3番目に高い山はなーんだ?」という山オタ判別クイズができるかも知れません……。

稚児車
山頂、チングルマのお花畑
雷鳥
ライチョウの親子

もし「この山に登る」のであれば三俣小屋~野呂川越~三峰岳~山頂、のコースでしょうか。登山道でそういう人にも会いました。ただ、帰りに広河原に戻る途中、北岳を通過するそうです(笑)

私はこの山へは二度。広河原からの北岳・間ノ岳ピストンと、両俣小屋からの白峰三山縦走途中。――前者は、広河原までマイカーが入れた頃の話。今では広河原からのピストンなんて、体力的にとても無理です……。

間ノ岳山頂
窪地状になった広い山頂。左の道が農鳥岳へ至る縦走路、右の道が三峰岳へ至る仙塩尾根への連絡路





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間ノ岳から富士山を見よう!

農鳥小屋から富士
山頂から南に下った農鳥小屋から、富士を御来光と一緒に見る
大門沢下降点から富士
さらに南に下って、大門沢下降点から富士を見る

元々、白峰三山縦走路は富士山が見放題であって、気にすべきは天候ぐらいです。(夏であれば、どれだけ朝早い時間に縦走路上に出られるかが勝負)

もちろん、白峰三山縦走路の中央に位置する間ノ岳付近で富士の見えないところはありません。北は中白根山から南は農鳥岳まで、節操無いくらい良く見えてくれます。山頂から西に進めば間ノ岳自身に隠され見えなくなりますが、それもお隣の三峰岳まで進めば再び見えてくるようです。と言うわけで、富士を探す楽しみが無い、なんて贅沢なことも言いたくなります。

ただし、見え方としては北岳のそれとほぼ一緒。近景の大唐松山の位置がずれるくらいでしょうか。


間ノ岳から南東
間ノ岳山頂から南東の見晴らし。f=35mm相当

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間ノ岳を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 広河原バス停~大樺沢~八本歯ノコル~北岳山荘~中白根山~山頂
 (1,514m)
12時間20分7時間30分+1,819m
-143m
+243m/h
4時間50分-376m/h
芦安駐車場
芦安駐車場。広河原へはここからバスで入る
奈良田バス停
奈良田バス停。広河原へはここからバスで入る
広河原
かつての広河原。現在はマイカー駐車場は廃止…
間ノ岳と北岳
間ノ岳と北岳のツーショット。3mしか高さが違わないが、山容はだいぶ異なる

日帰りは、かなり厳しい山です。

――広河原から八本歯ノコル経由(北岳山頂は非経由)間ノ岳までのピストンで、コースタイムは12時間20分。もし日帰り間ノ岳を狙うなら、このコースしか無いと思います。

ところが、夏場に芦安駐車場から山梨交通バス:広河原行き始発に乗り、早朝に広河原に入ったとしても、広河原から帰りの芦安駐車場行きバス最終便が出るのは、その10時間49分後……収まりません。

軽量な日帰り装備なら、もう少し早く歩ける人もいると思います。それでも、帰路にお決まりの雷雨に遭ったりなんかするとアウト。こういう物言いしか出来ないのは残念ですが、広河原一泊を考えるべきでしょう。

白峰三山縦走路
中白根山から間ノ岳へ向かう縦走路。体力を消費する道

日帰り山行記(北岳兼行) ≫

私も、広河原へのマイカー規制が無かった時代にしか日帰りが出来ていません。その時には、中白根山から間ノ岳の3,000m稜線でヘロヘロになった記憶が残っています。なにしろ、標高差1,450mを登り切った後の南ア稜線縦走ですから、体力はかなり奪われます。細かなアップダウンが辛いことでしょう。

ですので、もし間ノ岳日帰りをチャレンジする場合、下山で足が動かなくなることが無いようペース配分を良く考えながら歩く必要があると思います。特に八本歯ノコルあたりは険しいので、往路の際に復路のことを意識して危険箇所チェックをしておくべきでしょう。くれぐれも、バスの時間に合わせようと急いで下山し、疲労転倒することのなきよう――。

北岳と中白根山
北岳から中白根山のスカイライン。間ノ岳は中白根山の裏に隠れている。右端に見える小さなデッパリは三峰岳

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