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北岳・間ノ岳 日帰り山行記

日 時

2000/08/04 04:50-18:30(13時間40分)

天 候

朝のうち晴れ・のち曇り・夕方雷雨(日照率35%)

コース

広河原~二俣~八本歯のコル~北岳~間ノ岳~北岳~北ノ肩~白根御池~広河原
18.3km(累積標高差2,427m)

北岳・間ノ岳俯瞰図

概 略

歩き通すだけで疲れました(笑)。北岳と間ノ岳を日帰りするなら、広河原から真っ直ぐ上がるこのコースなのですが、真っ直ぐなだけあって登り一辺倒。八本歯のコルを経由するとさらに道がダイナミックになって最後まで気の抜けない歩きが続きます。

なお、当然ながら早発ちが必須。8月になると、晴れているのは朝のうちだけで、午後は雲って最悪、雷雨。日帰りにしろ山泊にしろ、午前のうちに山頂を極めましょう。

高山植物好きの人なら、広河原から二俣・御池を回ってくる日帰りコースで満足できるかも。

(後註:広河原がマイカー進入禁止となる前のレポートです)

撮影機材

FUJIFILM FinePix4900Z




広河原
×二俣

広河原駐車場

早朝の広河原駐車場。100台以上の車がぎっしり並んでいる。空き場所探すのに少し時間がかかった。

広河原から北岳

ここの登山口からは北岳の姿も見える。AM4:52、野呂川に架かる長い吊り橋を渡って、出発!

北岳登山道

沢沿いの登山道なので水が多い印象。最初はほぼ林間の歩き。

朝日を浴びる

時折、林が切れて展望が開けるところも。朝日を浴びる北岳の山頂部も見えた。意気が上がる。

大樺沢と北岳

やがて沢に出て、前方に目標を定めながらまっすぐ登っていけるようになった。朝の空気がとても清々しい。

高嶺・地蔵岳・観音岳

AM6:29、二俣到着。振り返ると鳳凰山が横たわっていた。

二俣分岐

チップ式のトイレあり。ここから道は左右に分かれるけど、進む方向は左。







二俣×
八本歯
ノコル

ミヤマハナシノブ

この一帯には高山植物が咲き乱れる。

クルマユリ

足を止め、しばし眺め入る人も……。背後は雪渓。

ミソガワソウ

背後はバットレス。デジカメならではの広角マクロ。

イワベンケイの雄株
雪渓

で、雪渓は少し汚い。この時期はサイズも小さいので、登山道は雪渓の左岸の無雪部を通っていく。

北岳バットレス

仰ぎ見ると、クライマーの血を騒がしてやまない岩壁、北岳バットレスが。

ダケカンバの林と梯子

登山道は沢を離れた後、いくつもの梯子を交えて急速に高度を上げていく。

大きく見晴らす

潅木帯を登り切って森林限界線の上へ。いままで歩いてきた道を見通せる自然の見晴台があった。なんとなく、勇壮な気分になれるところ。







八本歯
ノコル
×北岳

八本歯のコルの道標

AM8:11、池山吊尾根稜線上の鞍部、八本歯のコルに到着。ようやく山の向こう側を見ることが出来るぞ、と喜び勇んだものの……。

間ノ岳沈む

そこで見たのは雲に没しつつある間ノ岳。(ちょい待ち! 時間、早いよ!)

コルの梯子

梯子を昇りながら下方を見ると、ガスが後を追いかけるように上って来る……。

お花畑

だけど、上の方はまだ青空。それと、一面のお花畑が。(←ロープで隔離されている)

積雲むらむら

ただ、目線の高さでは雲が沸き立ち始めていた。今日の天気もここまでか……。

吊尾根分岐から北岳

あと少しで山頂に着くんだけどなあ……。

キンロバイ?
チシマギキョウ
北岳の空
3,193m

日本第二位の山、北岳到着。AM9:13。

山頂の人々

高山の夏の日差しが肌に突き刺さる。

蝶

岩陰にはアゲハチョウ。







北岳×
間ノ岳
×北岳

仙丈岳

全方位の展望はあるんだけど、南アの山できれいに見えてくれたのは仙丈岳のみ。他の山は雲の中……残念。

北岳山荘を見下ろす

滞留時間は10分。さあ、引き返して間ノ岳を目指すぞ! 遠く見えるのは、北岳山荘の赤屋根。

鐘

途中、登山者によってガンガン打ち鳴らされていた鐘あり。

北岳山荘

村営北岳山荘。なにやら工事中で、小型のパワーショベルなんてのも置いてあった。

縦走路

道はここから登り基調に。辛い……。

中白根山山頂

やっと中白根山。空は曇ったのに、山頂の人の表情はみな晴れやかだなあ。

間ノ岳山頂

ひたすら歩き続けて間ノ岳到着、AM11:34。日本第四位の山だけど完全にガスの中。農鳥岳はいずこ?

北岳へ続く稜線

再度北岳へ戻るのだけど、けっこうバテが来ている。足が進まないったりゃ、ありゃしない。

チングルマ
イワツメクサ
???
トラバース道

お花畑を求めて、北岳山荘前からトラバース道へ進む。結構怖い道。

北岳山頂ふたたび

そんなこんなで、なんとか北岳に舞い戻ってくることに成功。PM2:44。もう、軽装で上がってきた泊まりの登山者しかいない。







北岳×
御池×
広河原

北ノ肩へ下る

山頂をパスして北ノ肩へ下って行く。通り雨もあり、雷鳴も近づいてきて悪くなる一方の天候。

肩ノ小屋

大勢の客で賑わう肩ノ小屋も、足早にパス。

タカネナデシコ

雷から逃げるように潅木帯に飛び込むと草の急斜面に。濡れた地面に難儀……。

草スベリを下る

やがて眼下に、色とりどりのテントに囲まれた池が見えてた。

白根お池

PM4:43、白根お池到着。御池小屋の前を通り過ぎると、もう夕食の準備に取りかかっている気配が。

下山

緑豊かな森の中をずんずん下っていく。まもなく日も暮れてしまう……。

一缶百六十円

PM6:30、夕闇の広河原到着。――ホット缶コーヒーで帰還の祝いを。


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