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(山行年'02)

金峰山きんぷさん

(2,599m)

大日岩から金峰山
10月中旬の金峰山。山頂に鎮座するのは五丈石。針葉樹の森にカラマツの黄葉がアクセント。山頂部は森林限界を超えたハイマツ帯
カラマツの黄葉
砂洗沢を金峰山小屋から見下ろす
千代の吹上げ
千代の吹上げから金峰山山頂を見上げる
大日岩と小川山
大日岩(2,201m)と小川山(2,418m)

金峰山は奥秩父の山々の中でも、かなり西に位置する山。山梨・長野県境にあって、それぞれの県からは「きんぷさん」「きんぽうさん」と別々の名で呼ばれているようです。

まず、八ヶ岳にも準ずる高さは貴重。山頂部は森林限界を超えていて、岩とハイマツ世界の高山の雰囲気を持っています。山頂から西方を見ると、八ヶ岳から南アルプス・北アルプスが望め、それら日本の屋根への「つて」という意味を持つ山でもあります。

瑞牆山荘前から登るコースが歩かれています。道も整備されている上、距離・高度差とも手頃。やや辛い中盤の林間歩きをクリアすれば一気に見晴らしが開けて、あとはハイマツ帯を気分良く登っていけます。

なお、当たり前のように登山客は多いです。ハイシーズンには駐車場への早朝到着を心掛けたいところ。

ナナカマド
ナナカマドはそう多くない。金峰山南斜面にて
五丈石
金峰山山頂の広場。五丈石に登れる人はごく少数
八丁平
八丁平は深い森の中に……
リッジ
大日岩の北に連なる岩稜を越えていく

奥秩父の特徴の1つに、深い針葉樹の森、というものもあります。

……と、いうことを期待して大日岩から小川山へと続く稜線に絡む点線ルートを2、3歩きましたが、静かではあるのですが道は埋もれがちで、ルートファインディングが必要でした。5万分の1の登山地図では細かい地形が読めませんので、1/25,000地図が欲しくなります。大日岩の北側にはちょっとスリリングな箇所もあります。

大日岩から金峰山
甲府盆地から見上げる1月上旬の金峰山。赤坂台公園付近より





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金峰山から富士山を見よう!

金峰山山頂から富士
森林限界の上にあって全方位の視界が開ける山頂からは、富士山もスッキリ見える。手前の甲府盆地はガスに埋もれている……
鷹見岩からの富士
鷹見岩から見る富士山。手前は八幡山の稜線

富士展望を期待して登って良い山です。実際、山頂部から富士山は、まんべんなく見えます。

――元々、国師・奥千丈から朝日岳、鉄山、金峰山に至る奥秩父の2,500m主稜線は森林限界を越える絶好の富士展望台で、富士眺望を妨げるのは天候条件のみです。南側は甲府盆地へと下っていく山域なので、そう高い山もありません。

ただし、その稜線から下りると、奥秩父の森に阻まれ、富士方向が開けていたとしても見ることは難しくなります。瑞牆山荘からの登山道であれば、富士見平、鷹見岩からは見えますが大日岩からは八幡山に隠されて見えません。

金峰山から南
金峰山山頂から南の見晴らし。f=35mm相当

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金峰山を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 大弛峠タクシー乗場・駐車場~朝日峠~朝日岳~鉄山~山頂
(2,365m)
4時間30分2時間30分+376m
-142m
+150m/h
2時間-188m/h
2. 瑞牆山荘前駐車場/みずがき山荘バス停~富士見平小屋~大日岩~千代の吹上げ~山頂
(1,525m)
7時間05分4時間10分+1,129m
-55m
+271m/h
2時間55分-387m/h
瑞牆山荘前駐車場
瑞牆山荘近くの駐車場。約100台の収容
富士見平小屋
尾根コース砂防堤付近の金峰山登山口
大弛峠
大弛峠の駐車場
岩平原
山頂の東側はケルンの立ち並ぶ岩平原

首都圏からもっとも手軽に森林限界を突破できる山かも知れません……。

東京駅・朝5時前の中央線に乗れば、電車・バス・乗合タクシーを乗り継いでAM8:50に大弛峠に着くことが出来ます。そこから緩い山稜線を2時間半ほど歩けば、そこはもう、岩とハイマツと青い空の金峰山山頂――(H26現在)。もっとも、このバス&乗合タクシー路線は完全予約制、かつ運行は夏・秋の土日祝のみと、条件は厳しいです。一方で名阪神圏からの日帰りは望めません。

なお、瑞牆山荘前にもバス停がありますが、そのバス便を使った場合の行動可能時間が最大で6時間半なのに山頂までは7時間以上、と収まりせん。日帰りは難しいでしょう。

マイカーが使えるとなると、瑞牆山荘前駐車場、大弛峠駐車場の両方が選択肢となります。もちろん、高度2,365mという高所にある大弛峠からの山頂往復が最短ですが、峰越林道川上・牧丘線での車でのアプローチは大変だと思います。林道の通行止め情報にも注意。

山頂から西北西
山頂から西北西への見晴らし。八ヶ岳が大きく聳えるが、その手前の瑞牆山の存在感が半端ない……

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