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(山行年'01)

雲取山くもとりやま

(2,017m)

雲取山へ
5月。七ツ石山から雲取山を望む。カラマツの新緑に彩られた稜線

東京都の最高峰は、高度2,000mを超えるこの奥多摩の山。

――そう、“西日本”最高地点が標高1,982mの石鎚山山頂なのに、あの“東京都”がそれを上回る高さの土地を持っているのです。ズルい、と言われても仕方ないでしょう。いちおう、山頂は東京・埼玉・山梨の都県境となっています。

山頂は、ほぼ360°の展望を有します。また、七ツ石山~雲取山間では稜線漫歩を楽しめます。初夏には多くの花が咲き誇る、らしいです。

七ツ石山
ブナ坂から七ツ石山を見返す。前後にハイカーの姿が点々と
雲取山山頂
雲取山山頂と雲取山避難小屋。山頂部は奥に長い

ところが、東京都最高峰らしからぬアプローチの悪さを持つ山でもあります。駐車場は遠いか狭いかですし、ましてや、ロープウェイやリフトなどの観光登山を感じさせる施設も一切なし。その代わり、山小屋やテント場が充実しています。都会の喧騒を忘れさせてくれるという条件は整っているということですが。

コザクラ
雲取山~飛竜山間の登山道にはコザクラが咲く
おそらく、イワウチワ
こちらは、小さくかわいらしいイワウチワ。前飛竜山頂にて

当然のことながらシーズンの休日には東京都民が大勢訪れます。(都民ばかりじゃありませんが)

私は一度だけ登りましたが、朝5時半に登山口に到着したものの駐車場は満杯、空きを探すのに苦労しました……。






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雲取山から富士山を見よう!

雲取山から富士
雲取山山頂から見た、霞みまくりの富士山。さて、どこでしょう……

雲取山山頂には富士眺望があります。手前の山々に裾野を隠されがちとは言え、それでも越前岳から立ち上がる富士の裾の優美な曲線が眺められます。

そして、富士眺望は山頂からだけではなく、七ッ岩小屋から七ッ岩山、そしてそこから小雲取山、雲取山に至るまで幅広い区間にあるようです。そのあたりの登山道には木々の開けたところも多いので、富士見には絶好の山だと思います。

雲取山から南南西/35mm
雲取山山頂から南南西。富士山は雁ヶ腹摺山の峰の右上に浮かんでいる。f=35mm相当

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雲取山を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 青岩谷橋駐車スペース~三条ノ湯~青岩鍾乳洞分岐~三条ダルミ~山頂
(950m)
6時間3時間30分+1,150m
-83m
+329m/h
2時間30分-460m/h
2. 鴨沢バス停・駐車場~小袖乗越~堂所~ブナ坂~奥多摩小屋~小雲取山~山頂
(527m)
8時間50分5時間20分+1,600m
-110m
+300m/h
3時間30分-457m/h
鴨沢駐車場
鴨沢駐車場。十数台、朝5時半でも満杯…
留浦駐車場
奥多摩湖畔の留浦駐車場。こちらは多少大きい
七ツ岩小屋
七ツ岩小屋
プロペラ猫?
奥多摩小屋の風ぐるま…ネコ? 首にVSOP
三条ダルミ
三条ダルミ。三条ノ湯への降り口
ブナ林
丹波天平のブナ林。新緑の季節に

最短は山梨県側、後山林道終点の駐車スペースからの往復――と言っても、この駐車スペースは4台ほど。この山の人気ぶりを考えると選択肢から外しておくべきかと。一方、東京側、日原林道の奥にも駐車スペースが見つかりますが、そもそも「日原林道は一般車通行禁止」と付記されています。近づくことは出来ないでしょう。

それでも日帰りをしたい向きには……東京・山梨境、国道411号(青梅街道)の鴨沢駐車場が無難です。狭いので、実際は徒歩10分ほど離れた留浦駐車場に車を停めることが多くなることでしょう。どちらにしろすぐ満車になるので、シーズン中は暗いうちに到着するようにしたいところです。

そして、鴨沢から山頂まで往復8時間50分、累積標高差1,600mを日帰りしなければなりません。都会暮らしに慣れた身体にはチト骨でした。


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