八ヶ岳エリア ≫

(山行年'01,04)

霧ヶ峰きりがみね

(1,925m)

霧ヶ峰
美ヶ原ビーナスラインより見る中秋の霧ヶ峰。山頂にポツンと人工物が見えること以外は、ごくなだらかな山容

霧ヶ峰――高原を駆け抜ける、爽やかな風のイメージ。

実際、人々はそのような期待をして諏訪湖の畔から上っていきます。ただし、その数は圧倒的に観光客が多いのですが……。そう、この山はマイカーやバスでの高原周遊が楽しめるという山岳観光地。ハイカーは少数派です。



八島ヶ池
雨模様(=今にも雨が降りそうな天候)の八島池
クルマユリ
クルマユリが咲く
ガスと夕暮の車山山頂
ガスの車山山頂。建つのは気象レーダー
車山湿原の夏
盛夏の車山湿原は花盛り

霧ヶ峰は、諏訪湖にほど近い、台地状に盛り上がった峰々の総称。八ヶ岳中信高原国定公園に属します。

最高峰の車山でも2,000mに僅かに届きませんが、富士山から日本アルプスまで眺められる好展望地である事実に変わりありません。加えて、周囲一体は高原&高層湿原帯であり、初夏のニッコウキスゲを始めとして夏から秋にかけて様々な花が咲き乱れます。

ただ、霧ヶ峰はその立地条件の良さから、車道が貫き大きな駐車場が点在する一大観光地と化しており、シーズン中の人出の多さは相当なものがあります。

ハイカー向けには、車山高原からの登降コース、八島から車山を目指す物見岩・沢渡経由周遊コースなどが良いかも知れませんが、やはり物足りません。いっそのこと諏訪湖から登るコースは無いものか、と探してみましたが――無いようです。標高差1,166m、無理やり道選定して歩きたくなるところですが……。

ちなみに、「霧ヶ峰随一の花の尾根道」と言われる山彦谷尾根は、ぜひ歩いておきたいなあ、と思っていますが、いまだ果たせず。

八島ヶ池
八島ヶ池。八島ヶ原高層湿原は国の天然記念物。七島八島の浮島を宿している





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霧ヶ峰から富士山を見よう!

霧ケ峰より富士
車山山頂より南東の見晴らし。富士山は八ヶ岳連峰の脇。右方には南アルプスの峰々が並ぶが、八ヶ岳の存在感の方が大きい。35mm相当

車山山頂からは富士山が見えます。山頂は岩と草原で、見晴らしには問題ありません。

なおこの山の場合、山頂部であっても見えるところは限られています。見晴らしを無視して可視性だけで言うと、車山山頂とビーナスライン富士見台・車山高原を結ぶ三角地帯がもっとも広範囲の富士展望エリア。霧ヶ峰バス停のある蛙原(げえろっぱら)一帯からもなんとか見えるようです。あとはピン・ポイントで池のくるみ展望地、樺の丘、殿城山、大笹峰、そして――もっとも北にあるピーク、鷲ヶ峰。

ちなみに、私は霧ヶ峰には二度ほど足を運んでいますが、富士撮影には成功していません。


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霧ヶ峰を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1.リフト車山山頂車山山頂5分-+25m
-0m
-
2. 車山肩バス停・駐車場~車山山頂
(1,795m)
1時間15分45分+130m
-0m
+173m/h
30分-260m/h
3. 車山高原バス停・駐車場~車山乗越~車山山頂
(1,565m)
2時間30分1時間25分+360m
-0m
+254m/h
1時間5分-332m/h
4. 八島湿原バス停・駐車場~諏訪神社~沢渡~車山乗越~車山山頂
(1,640m)
4時間15分2時間20分+315m
-30m
+135m/h
1時間55分-164m/h
車山肩駐車場
車山肩駐車場。約200台。ビーナスライン沿い
強清水市営駐車場
強清水市営駐車場。約400台。霧ヶ峰の入り口
八島駐車場
八島湿原駐車場。約100台。ビーナスライン号沿い
リフト駅
スカイライナー、スカイパノラマは観光リフト。シーズンには待ち行列が…

3シーズン営業の展望リフトに乗って、着いたところは霧ヶ峰最高地点の車山山頂!(まで0.2km)――ということで、百名山の最短コースは山頂まで3、4分というレベルです。登る、という感覚ではありません。

もっとも、「湿原を巡る遊歩道歩きを加えずなんとする!」という霧ヶ峰。目指すべき明確なピークが無いというこの山、縦横に遊歩道が切られていますので行きたい方角に行ってみるのも良いかも知れません。(ただし、地図持参は必須。道標は多いですが目印があまり無いので)

なお、霧ヶ峰は東京・名古屋・大阪から日帰りできるという特徴もあります。路線バス発着駅はJR上諏訪、茅野駅。3シーズンほぼ限定となりますが、始発列車に乗れば霧ヶ峰山上で最大5時間半ほど行動時間が取れると思います。また、「霧ヶ峰インターチェンジ」「沢渡」「八島湿原」「車山肩」「車山高原」というビーナスライン上のバス停をうまく使って徒歩での往復を避け、時間短縮するプランも可能でしょう。

八島湿原の道
秋の八島湿原の道――
蝶々深山の道
夏の蝶々深山(ちょうちょうみやま)の道――

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