
北アルプス南端の高峰、乗鞍岳。
同名の山は日本各地に幾つかありますが、3,000mを超えるのは、さすがにこの山だけ。ところが山上は良く開発されて、一大観光地となっています。高度2,700mの日本最高所を通る乗鞍エコーライン・乗鞍ハイウェイは大型バスが列を成して山上にやってきます。(マイカーは通行禁止)



見た目から明らかと思いますが、火山です。もっとも、昔の言い方をすれば休火山で、噴火警戒レベルの発表もありません。裾野を雄大に広げ、広大な山頂部を持つので北アルプスの山らしくなく、どちらかと言うと南の御嶽山と似たイメージがあります。
もっとも、御嶽山が信教の山である一方で、乗鞍岳は一般人にとっての山岳観光地です。この山のアクセスには、ほとんどバスが使われます。実際、高度2,700mの畳平を中心として、普段着の観光客が多く見られます。畳平には喫茶・食堂、土産物屋、宿泊施設から簡易郵便局まで揃っており、満点の星空を眺めながら山上の一晩を過ごすには絶好の地ということでしょう。また、個体数こそ多くありませんが、ライチョウの姿も見られます。
そして、肩ノ小屋まで伸びた車道が尽きると、ようやく登山道が始まります。といっても、こちらも軽装のハイカーばかり。立山と並んで、3,000mを超えるのが最も楽な山です。





もっとも、私は三本滝レストハウス駐車場から登りました。森林限界を突破して目の前の見晴らしがパッと開けた、というシーンが高山登山には必要だ、と信じているからなのですが……。
ともかく、深い森の中を進み、吊り橋を渡って三本滝を眺め、鈴蘭から来る登山道と合流、あとは車道と交差しながら肩ノ小屋まで上がりました。曇り空で紅葉の冴えはイマイチでしたが、意外にも車道歩きは少なく、だいたいが山道を歩けました。駐車場をAM5:46に出発し、剣ヶ峰山頂に到着したのはAM10:24。
乗鞍岳から富士山を見よう!

山上には3,000m峰2つを含めて、格好の展望台となるピークを幾つも抱え、しかもどれも森林限界線の上、ということで富士眺望は大いに期待されるところですが……
実際は、なかなか厳しいものになっています。北岳・仙丈ヶ岳という南アルプスの高峰が富士山の前に立ちはだかるからです。とりあえず、高度2,700mを超える峰々の山頂からなら富士山のお椀部分が辛うじて見える筈です。ただし、北岳や仙丈ヶ岳の峰がお椀の手前に来たりすることもあります。
ちなみに、富士見岳は名に偽りは無いものの、厳しさは変わらず。たとえ天候が良く見通しが素晴らしくても、目を凝らさなければ富士山の一角を見付けられないでしょう。もっとも、それ以前に私は晴れの日に登れていないのですが。アルプスに雪は無くても富士山頂は冠雪、という富士を遠望するには絶好の時期を狙ってはみたものの……。

乗鞍岳を日帰りで歩こう!






3,000m峰ですが、日帰りで済ませられることの多い山です。それだけ、アクセスが充実しています。
一番利用が多いと思われるのは、松本駅ないし新島々駅から乗鞍高原線バスに乗り、観光センター前で乗鞍岳線に乗り換えて畳平まで進むルート。新島々駅から2時間ほどで畳平に到達しますが、注意点としては接続があまり良く無いこと。乗鞍高原にマイカーを置いてバスを使う人が多いので、乗鞍高原線は運行本数もやや少な目。
岐阜側からだと、平湯温泉バスターミナルからが利用しやすいと思います。ただし、こちらは、ほぼマイカー客専用かも知れませんが。
畳平からは車道歩き45分、山道歩き45分で剣ヶ峰山頂に到達できます。一方、長く歩きたい向きには鈴蘭から高低差1,500mのコースが利用されます。三本滝からのコースは、私が歩いた時は、三本滝~鈴蘭登山道間が倒木で通行止めでした。
他の日帰りコースとして、アイミックス自然村から登山道があるようですが、詳細は不明。


