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(山行年'03,16)

谷川岳たにがわだけ

(1,977m)

谷川岳近景
7月下旬の谷川岳。一番奥に見えている岩峰が谷川岳・オキの耳(1,977m)で、右に西黒尾根が伸びる。天神尾根のトラバース道より見上げる

群馬と新潟の県境の山、谷川岳。

――日本の背骨と言うべき三国山脈の一角を占めますが、それでいて交通アクセス手段には恵まれています。ロープウェイは、シーズン中には待ち時間も覚悟を。

ただ、メインロードの天神尾根を外れた途端、この山の真価が現れるのでは無いかと思います。

谷川岳
左から茂倉岳(1,978m)、一ノ倉岳(1,974m)、ノゾキを挟んで谷川岳のオキの耳(1,977m)、トマの耳(1,963m)。オジカ沢ノ頭より東方に見る
非対称山稜
完全なる非対称山稜を往く
トマの耳
トマの耳。東側は切れ落ちている

関越国境の山、谷川岳。双耳峰が特徴。

――何と言っても、通年営業・谷川岳ロープウェイを使ってのお手軽登山。トマの耳・オキの耳から、もうちょっと頑張ってノゾキまで足を伸ばせばこの山の雰囲気は満喫できると思います。標高こそ2,000mに届かない山ですが、岩場も多く、高山気分を味わえます。

首都圏からのアクセスの良さもあって、人気の山になっています。

万太郎山を望む
万太郎山へ続く笹の稜線。この直下1500m、関越トンネルが横に貫く

天神平からの登山道は良く整備されていますが、危険なポイントは多くあります。特に稜線上は片側が切れ落ちていることが多いので注意。装備不十分・悪天候でも、登山者が回りに多いからと言って安易に突っ込むのは危険です。上部は岩とササの原ですので雷にも注意。(避難小屋は多くありますが……)

ただし、もし時間と天候が許せば、上越国境を歩いてオジカ沢ノ頭まで進んでみて下さい。痩せ尾根を越えた先に、関越トンネルの真上だと信じられないくらい、穏やかで山深い光景がそこに広がっています。

”黄”
枯草色とササの深緑でコントラストを成す山肌
”赤”
(首都圏から)近くて良い山、谷川岳。特に秋は本領発揮

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谷川岳から富士山を見よう!

オキノ耳より富士/50mm相当
オキノ耳より南南西の見晴らし。山ばかりの景色だが、富士山は奥秩父稜線上に顔を出している
天神尾根より南南西
天神尾根より南南西。台形の吾妻耶山が目印だが、富士山は雲の中

距離165km、と遠いですが、富士山は奥秩父の稜線に突き出るようにして見えます。ただし、見えるのは上部のみ。

なお、谷川岳山頂部は幅広く富士山の展望が可能。オキノ耳・トマノ耳はもちろん、西側にはオジカ沢ノ頭~万太郎山~仙ノ倉山~平標山まで、北側には一ノ倉岳~茂倉岳まで。

私は夏と秋にこの山に登っていますが、どちらもガスが掛かって富士山は捉えられていません。アクセスの良い山なので、チャレンジを積めば捉えられる筈ですが……。

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谷川岳を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. リフト天神峠駅~熊穴沢ノ頭~肩ノ小屋~オキノ耳
 (1,502m)
4時間2時間20分+493m
-18m
+211m/h
1時間40分-296m/h
2. 土合口駐車場~ラクダのコル~ザンゲ岩~トマノ耳~オキノ耳
 (746m)
7時間5分4時間10分+1,194m
-37m
+287m/h
2時間55分-409m/h
3. 土樽小緑地駐車場~矢場ノ頭~茂倉岳~一ノ倉岳~ノゾキ~オキノ耳
 (683m)
9時間35分5時間35分+1,499m
-205m
+268m/h
4時間-375m/h
天神平
天神平。ロープウェイ天神平駅がある
土合口駅前駐車場
谷川岳ロープウェイ駐車場。混雑注意
小緑地駐車場
新潟県側、小緑地の駐車場。100台の収容台数
谷川岳ロープウェイ
谷川岳ロープウェイ。高度差600mを10分で登る
天神尾根登山道
天神尾根の登山道。上部は展望が開ける
一ノ倉沢をノゾく
ノゾキから一ノ倉沢の絶壁を見下ろす。高度差はざっと1,000m

群馬県側からであれば、ほとんどの人が谷川岳ロープウェイの天神平から登っていると思います。土合口駅には大きな駐車場がありますが、満車時には5分ほど離れた有料駐車場を利用。ロープウェイの始発は朝9時ですが、7時からの早朝運転がある日もあるので、出来るだけ早朝を狙うべきです。

天神平からは、直接、谷川岳を目指すかリフトで天神峠に登るかは悩ましいところですが、リフトは所要10分ですので時間的には大して変わりません。ただ、天候が良ければ天神峠からの谷川岳を眺めてから歩き出す方がモチベーションは上がるでしょう。

ロープウェイ土合口駅までのアクセスですが、車利用なら首都圏から関越自動車道を使って一直線、電車利用でも上越新幹線・上毛高原駅から谷川岳ロープウェイ行きバスで1時間弱です。JR水上駅にも立ち寄るので、新潟県側からも使いやすいです。

同じく群馬県側、ロープウェイを使わないなら、土合口からの西黒尾根コースでしょうか。日本三大急登の1つですが、標高差で見る限りは日帰り圏内。体力に自信のある人は「日本一のモグラ駅」JR土合駅の下りホームの500段近い階段を登るところから始めましょう……。

西黒尾根
日本三大急登の西黒尾根。その向こうには天神尾根が見えている。右端は肩ノ広場。オキノ耳より見る

新潟県側から登るとなると、JR土樽駅ないし、その先の小緑地駐車場から茂倉新道を辿るのが第一候補となりますが、健脚向けであることは間違いありません。

なお、万太郎山から北へ伸びる吾策新道ですが、けっこう危ないです。吾策新道は下山に使わないのが無難と思います。

イワウチワ
茂倉新道、秋のイワウチワ
越後湯沢
新潟県側、越後湯沢方面への展望。小障子ノ頭付近より
ケルン道標
肩ノ広場の道標。ヤマノススメ…

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