
群馬と新潟の県境の山、谷川岳。
――日本の背骨と言うべき三国山脈の一角を占めますが、それでいて交通アクセス手段には恵まれています。ロープウェイは、シーズン中には待ち時間も覚悟を。
ただ、メインロードの天神尾根を外れた途端、この山の真価が現れるのでは無いかと思います。



関越国境の山、谷川岳。双耳峰が特徴。
――何と言っても、通年営業・谷川岳ロープウェイを使ってのお手軽登山。トマの耳・オキの耳から、もうちょっと頑張ってノゾキまで足を伸ばせばこの山の雰囲気は満喫できると思います。標高こそ2,000mに届かない山ですが、岩場も多く、高山気分を味わえます。
首都圏からのアクセスの良さもあって、人気の山になっています。

天神平からの登山道は良く整備されていますが、危険なポイントは多くあります。特に稜線上は片側が切れ落ちていることが多いので注意。装備不十分・悪天候でも、登山者が回りに多いからと言って安易に突っ込むのは危険です。上部は岩とササの原ですので雷にも注意。(避難小屋は多くありますが……)
ただし、もし時間と天候が許せば、上越国境を歩いてオジカ沢ノ頭まで進んでみて下さい。痩せ尾根を越えた先に、関越トンネルの真上だと信じられないくらい、穏やかで山深い光景がそこに広がっています。


谷川岳から富士山を見よう!


距離165km、と遠いですが、富士山は奥秩父の稜線に突き出るようにして見えます。ただし、見えるのは上部のみ。
なお、谷川岳山頂部は幅広く富士山の展望が可能。オキノ耳・トマノ耳はもちろん、西側にはオジカ沢ノ頭~万太郎山~仙ノ倉山~平標山まで、北側には一ノ倉岳~茂倉岳まで。
私は夏と秋にこの山に登っていますが、どちらもガスが掛かって富士山は捉えられていません。アクセスの良い山なので、チャレンジを積めば捉えられる筈ですが……。
谷川岳を日帰りで歩こう!
日帰りコース | 所要時間 | (登り/下り) | 累積高度 | 登降ピッチ | |
---|---|---|---|---|---|
1. | リフト天神峠駅~熊穴沢ノ頭~肩ノ小屋~オキノ耳 (1,502m) |
4時間 | 2時間20分 | +493m -18m | +211m/h |
1時間40分 | -296m/h | ||||
2. | 土合口駐車場~ラクダのコル~ザンゲ岩~トマノ耳~オキノ耳 (746m) |
7時間5分 | 4時間10分 | +1,194m -37m | +287m/h |
2時間55分 | -409m/h | ||||
3. | 土樽小緑地駐車場~矢場ノ頭~茂倉岳~一ノ倉岳~ノゾキ~オキノ耳 (683m) |
9時間35分 | 5時間35分 | +1,499m -205m | +268m/h |
4時間 | -375m/h |






群馬県側からであれば、ほとんどの人が谷川岳ロープウェイの天神平から登っていると思います。土合口駅には大きな駐車場がありますが、満車時には5分ほど離れた有料駐車場を利用。ロープウェイの始発は朝9時ですが、7時からの早朝運転がある日もあるので、出来るだけ早朝を狙うべきです。
天神平からは、直接、谷川岳を目指すかリフトで天神峠に登るかは悩ましいところですが、リフトは所要10分ですので時間的には大して変わりません。ただ、天候が良ければ天神峠からの谷川岳を眺めてから歩き出す方がモチベーションは上がるでしょう。
ロープウェイ土合口駅までのアクセスですが、車利用なら首都圏から関越自動車道を使って一直線、電車利用でも上越新幹線・上毛高原駅から谷川岳ロープウェイ行きバスで1時間弱です。JR水上駅にも立ち寄るので、新潟県側からも使いやすいです。
同じく群馬県側、ロープウェイを使わないなら、土合口からの西黒尾根コースでしょうか。日本三大急登の1つですが、標高差で見る限りは日帰り圏内。体力に自信のある人は「日本一のモグラ駅」JR土合駅の下りホームの500段近い階段を登るところから始めましょう……。

新潟県側から登るとなると、JR土樽駅ないし、その先の小緑地駐車場から茂倉新道を辿るのが第一候補となりますが、健脚向けであることは間違いありません。
なお、万太郎山から北へ伸びる吾策新道ですが、けっこう危ないです。吾策新道は下山に使わないのが無難と思います。


