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(山行年'14)

阿蘇山あそさん

(1,592m)

阿蘇山
阿蘇連山。ギザギザの根子岳、最高峰・高岳、噴煙を吐く中岳、皿山、往生岳。釈迦の寝姿にも喩えられるが……。12月下旬、久住山付近から見る
砂千里ヶ浜
砂千里ヶ浜。火山灰で覆われている
中岳山頂
中岳の山頂(1,506m)。火口壁の東にある最高点
高岳山頂
高岳の山頂(1,592m)。標高は「肥後国」で覚える

九州熊本は阿蘇くじゅう国立公園の一角にある阿蘇山は、世界最大級のカルデラを有する活火山。2009年には日本ジオパークにも認定され、“生きた日本列島”を体感できる場所として、またパワースポットとして、近年、ますます人気の高まる――と、言いたいのですが。

阿蘇山に出向く場合、噴火警戒レベルが1(平常)の状態であることが肝心です。レベル2(火口周辺規制)になると火口から半径1km=火口東・火口西の展望台には立ち入れません。辛うじて中岳・高岳は外れていますが、せっかく阿蘇山に登るなら、中岳火口壁を巡るコースも組み入れるべきと感じます。砂千里ヶ浜から岩の急斜面を経て至る火口壁の稜線漫歩は、他の山ではなかなか味わえない趣がありますので。

なお、中岳火口では1年に1度ほどのペースでレベル2の火山活動が発生しています。現地を向かう前に必ず最新の状況をチェック。

阿蘇火口
阿蘇山の中心部。火口が南北に幾つも連なるが、活動中なのは最北の第一火口のみ。左手には砂千里ヶ浜が広がる
高岳
高岳を国道212号の大観峰付近より見る
根子岳
根子岳(1,433m)の山頂部を中岳稜線より見る

最高峰・高岳は登山者の領域。中岳からひと登りですが、仙酔尾根伝いの直登を選ぶことも出来ます。

さらに東、根子岳は阿蘇火山より古くからある山。登り甲斐のありそうな形をしていますが、2012年の豪雨被害で登山道が寸断され、登山はますます困難に。

西側の杵島岳は草千里ヶ浜の遊歩道と絡んでいるので、観光客が多い気がします。烏帽子岳は一等三角点の山。

阿蘇谷
宮地付近を仙酔尾根より見下ろす。阿蘇谷はカルデラの内側にあって、高度500m前後の平地を高度800~1,000mのカルデラ壁で取り囲む形





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阿蘇山を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 仙酔峡駐車場~仙酔尾根~高岳山頂 
(910m)
3時間10分1時間50分+687m
-5m
+375m/h
1時間20分-515m/h
2. 仙酔峡駐車場~火口東展望所~中岳~高岳山頂 
(910m)
3時間20分1時間55分+699m
-17m
+365m/h
1時間25分-466m/h
3. 火口バス停・駐車場~砂千里ヶ浜~中岳~高岳山頂 
(1,250m)
3時間35分2時間5分+387m
-62m
+186m/h
1時間30分-258m/h
4. 阿蘇山西駅バス停・駐車場~砂千里ヶ浜~中岳~高岳山頂 
(1,140m)
4時間15分2時間25分+365m
-40m
+151m/h
1時間50分-199m/h
5. JR宮地駅~阿蘇古代の里美術館~仙酔橋~仏舎利塔~仙酔峡駐車場~仙酔尾根~高岳山頂 
(538m)
6時間50分3時間50分+1,060m
-6m
+277m/h
3時間-353m/h

R6/4/26 噴火警戒レベル1。活火山であることに留意

 ■気象庁 火山登山者向け情報 ≫
火口西ロープウェイ駅
ロープウェイ火口西駅(廃止)と駐車場
阿蘇山西ロープウェイ駅
ロープウェイ阿蘇山西駅(廃止)とバス停、駐車場
阿蘇山東ロープウェイ駅
仙酔峡ロープウェイ阿蘇山東駅(運休中)と駐車場
往生岳
往生岳(1,238m)を阿蘇パノラマラインより見る



 日帰り山行記 ≫

まず大前提として、阿蘇山は噴火警戒レベルこそ1ですが、火口周辺の立ち入り規制は自治体によって継続中です。従って、廃止となった阿蘇山ロープウェイの代わりの火口シャトルバスも運行休止中。('22 8月現在)

従って、公共交通機関利用なら、JR豊肥線・阿蘇駅からバスで阿蘇山西駅バス停から砂千里を通るコースを使うことで日帰り登山を行なうことが出来ます。大阪・神戸から新幹線を使った日帰りさえ可能ですが、山上での行動可能時間は4時間半ほどに制限されますので、高岳往復にそう余裕はありません。

また、JR宮地駅からの「駅から登山」も可能です。九州自然歩道の道標に従い、仙酔峡まで車道で上がります。(なお、九州自然歩道とは途中で分かれます)

火口壁
火口壁の上を辿る中岳登山道。荒涼としている
仙酔尾根
仙酔尾根の登山道。単調・急傾斜の岩礫斜面

マイカー利用なら、山上広場駐車場が基点になります。ハイシーズンの混雑には注意。その先に砂千里ヶ浜駐車場もありますが、収容台数は少なく、また利用可能なのは午後4時半までで登山者向きではありません。

仙酔峡ロープウェイは運行休止中ですので仙酔峡駐車場からは歩いて登るしかありません。ここからは中岳、高岳2つの登山道が伸びており、それを利用して周回登山が可能ですが、特に高岳へ至る仙酔尾根コースは標高差650m一気の急登なので注意。

火口西
お盆時期の阿蘇山ロープウェイ・火口西駅~阿蘇山西駅周辺を俯瞰。右手前の火口展望台には避難壕の建物が目立つ

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