大台エリア ≫

(山行年'05,12)

大台ヶ原おおだいがはら

(1,695m)

日出ヶ岳
大台ヶ原最高峰・日出ヶ岳(1,695m)を隣の正木嶺斜面より見る。10月下旬

この山を「下から登りたい」と思っているのですが……なかなか難しいようです。

そもそも大台ヶ原は大台ヶ原であって、大台ヶ原「山」では無いのかも知れません。ドライブウェイを伝って山頂部に達し、あとは周遊するだけの山――ハイカーは一抹の寂しさを感じるかも。

それでも、その山岳風景は関西屈指。


シオカラ谷
シオカラ谷の紅葉。吊橋脇からシオカラ谷の川岸にも降りられる
大蛇嵓
大蛇嵓(1,579m)から東方の展望。高度差800m以上の谷に臨む
大台ヶ原
ポコポコと小峰が並ぶ大台ヶ原。中央左の小ピークが日出ヶ岳。八経ヶ岳山頂より見る

紀伊半島は台高山脈の最高峰・大台ヶ原山。最高点は日出ヶ岳です。

訪れるのは、ほとんどが観光客です。鹿の群れが現われると観光客たちは歓声を上げます。また、奇勝と映るのでしょう、白骨化した森を目にしても歓声が上がります。苔も元気がないように見えるのですが、これも大台ヶ原の大事な観光資源。なかなか、いろいろと見ていて辛くなります。一方、静かに歩ける西大台地区は、三ヶ月前までの申請と研修が必須となっています。

ツクシシャクナゲが咲くのは5月中旬~下旬。紅葉の見頃は10月下旬です。人気スポットは大蛇嵓。足がすくむような高度感が得られます。ここでは、むしろ岩場での人との行き交いに注意。

鹿
食害の主……
白骨林
正木嶺。むかし、森のあったところ。いまは白骨の荒野
中ノ滝
日本の滝百選・中ノ滝。大蛇嵓より





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大台ヶ原から富士山を見よう!

日出ヶ岳から東北東/200mm
日出ヶ岳から東北東。富士山は左右に伊勢湾を分ける志摩半島の左側に見える。富士山の左には南アルプス、右には伊豆半島が続く。f=200mm相当
熊野灘
早朝の熊野灘。富士山は遠い……

なにしろ、距離270km以上の超遠望の富士山です。気象条件・時間帯を最大限に最適化したとしても、富士山が見られるかどうかは運次第、と言って良いでしょう。ただでさえ、大台ヶ原は1年間の降水量が4,800mmという雨の名所(?)なのですから。

とは言え、富士山が見られることは確実です。山頂の展望図にも富士山が示されています。方角はやや北よりの東ですので、早朝、日の出をバックに影となった富士山を捉えるのが賢明です。うまく狙えばダイアモンド富士(ほとんど太陽の中に入ってしまいますが)も可能かも知れません。駐車場が近いので、数日かけた長期戦も可能。

ちなみに、私は2度チャレンジして、2度とも敗退。天気が良いぐらいじゃ全然駄目です……。


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大台ヶ原を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 大台ヶ原駐車場大台ヶ原バス停~正木嶺分岐~日出ヶ岳山頂 
(1,574m)
1時間10分50分+123m
-2m
+147m/h
40分-185m/h
大台ヶ原駐車場
秋の平日の大台ヶ原駐車場。約200台収容だが…
駐車場の外
駐車場……ではなく、県道。ゴールデンウィーク
大台ヶ原バス停
奈良交通・大台ヶ原バス停。駐車場入り口にある
登山道
登山道。歩きやすく、解説板なども散在
大和上市駅
近鉄・大和上市駅。大台ヶ原へのバスが発着
団体
マイカー客だけでなく、バスツアー客も大勢訪れる
牛石ヶ原
牛石ヶ原の草原地帯を往く
登山口
東大台登山口。日出ヶ岳への最短コース

日帰りの山です。山頂と高度差120mほどのところにある大台ヶ原駐車場ないし大台ヶ原バス停が起点。そして、遊歩道のような道を40分ほど歩くだけで、最高地点・日出ヶ岳山頂に到着します。到達容易さは百名山の中でも相当上位。

……ところが、この山は登山口まで至る困難さも屈指。とにかく、アクセス経路がほぼこの大台ヶ原駐車場に限られるのですが、ゴールデンウィークや秋の紅葉シーズンには駐車場は完全に埋まります。それどころか、夜でも車中泊で停めっぱなしの車が大量にあるため、朝~昼に大台ヶ原に着いても駐車場に入れない可能性も大。平日であればなんとか、といった具合。

従って、近鉄・大和上市駅発着の奈良交通バス利用も選択肢になります。春~秋の3シーズン1日1往復(休日は2往復)の運行。ただし、道路状況によっては運行を取りやめるので事前確認が必要です。このバス路線もシーズン中の週末は乗車整理券が出るほどの混雑ぶりですが、平日であれば大丈夫のようです。(もっとも、平日は中京からのバス利用日帰りが不可能になりますが)

他の日帰りコースとしては、入之波の奥、屏風滝付近の有料駐車場からの道を見つかりますが……山頂まで往復9時間20分と長丁場。また、小処温泉から往復9時間50分コースも狙い目ですが、西大台を通過するので事前申請とセミナー受講が必要というハードルの高いものとなります。いずれも情報が少なく、詳細は不明。


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