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(山行年'02)

空木岳うつぎだけ

(2,864m)

中央アルプス
木曽駒山頂より中央アルプス縦走路を見る。中央左が空木岳で、長大な池山尾根を伸ばす。中央右が南駒ヶ岳、右端は熊沢岳

――中央アルプス、空木岳。

木曽駒と空木岳で中央アルプス北部の尾根を張ります。それでいて、ロープウェイ1本で登れる賑々しい木曽駒と違って、空木岳は登山者の領域。長大な尾根を登り詰めるか、千畳敷から遙々縦走してくるか、ぐらいの選択肢しかありません。中央アルプスが擁する3つの百名山のうち、もっとも質実剛健と言える山のように思います。

空木岳を東から
8月中旬の空木岳。左は赤椰岳、右は熊沢岳、背後は御嶽山。南ア小河内岳より西北西に見る
空木岳山頂
空木岳山頂(2,864m)。花崗岩が目立つ
空木岳を西から
1月中旬の空木岳。左は熊沢岳~東沢岳、右は赤椰岳・南駒ヶ岳。岐阜の白山展望台より東北東に見る

そんなわけで、とある夏の日に木曽駒からこの山まで縦走してみた訳ですが……。

空木平カールのお花畑がいい感じ。数多の花が咲き誇り咲き乱れ、ちょっとした空中庭園の様相でした。

ただし、その後は見現地獄と思えるような高低差2,000mの下山。まごうかたなきバカ尾根で、コースタイムはざっと5時間――。私は朝イチのロープウェイで千畳敷まで上がって、縦走して山頂に辿り着いたのですが、菅の台に下山出来たのが夜9時近くでした。

空木岳山頂から池山尾根
山頂付近より。中央に駒峰ヒュッテ、左手稜線奥には駒石、右手に空木平カールと避難小屋
木曽殿山荘
木曽殿山荘

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空木岳から富士山を見よう!

空木岳から富士
空木岳から、西南西方面の見晴らし。南アルプスの稜線上に辛うじて富士山の山頂が覗く――
北尾根
山頂から東の空を望むものの、何も見えない……

富士山が見えるかどうか?というと、見えます。

――ただし、3,000m峰の南ア塩見岳にほとんど侵食されながら、なんとかお椀の部分だけ覗かせている、といった程度です。注意して眺めないと、富士山が見えているとは分からないでしょう。

そして、空木平カールに下るだけで、そのお椀も見えなくなります。山頂から赤椰岳、南駒ヶ岳と南に移動しても大して変わらず、南アルプスが高い壁となってブロックします。中央アルプスの山の宿命でしょう。

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空木岳を日帰りで歩こう!

菅の台バスターミナル
菅の台バスターミナル
ロープウェイ千畳敷駅
ロープウェイ千畳敷駅
北尾根
木曽殿小屋の手前から空木岳登山道を見上げる
ミネウスユキソウ
ミネウスユキソウ

菅の台からの池山尾根往復、12時間50分――これが直球の日帰り空木岳登山と思います。ただ、標高差2,000mを上って下るだけ、樹林帯ばかりで見晴らしもあまり期待出来ず、という覚悟が必要な山行になるでしょう。

楽しんで歩きたいのであれば、菅の台からバス・ロープウェイで千畳敷まで上がり、そこから空木岳への縦走、池山尾根を伝って下山というコースを採るべきでしょう。こちらのコースタイムは12時間25分。

池山尾根
池山尾根の樹林帯を往く
ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ

――もっとも、この縦走路はアップダウン激しい岩稜帯なので、そこで体力が相当奪われます。正直言って、池山尾根往復と比べて楽とはとても言えません。

それと、本コースを使う勘所は、どれだけ朝早くに千畳敷に到達できるかですが、ハイシーズンは混雑で計画通りに歩けない可能性大。

第3のルートとして、西麓、伊奈川ダムの先に駐車場が見つかりますが……日帰りが厳しいことは間違いありません。

コイワカガミ
コイワカガミ
空木カールのお花畑
空木平カールのお花畑。チングルマが満開

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