



八ヶ岳。長野県の中ほどにある山塊。最高峰は赤岳です。
「日本アルプス以外での3,000m近い高度は、日本にあっては貴重な高さ」と、どこかで読んだ覚えがあります。なるほど、もしこの高度が日本アルプスでしか得られなかったのだとしたら、確かに日本の地勢はつまらないなあ、と感じます。北ア・中央ア・南ア連山と八ヶ岳の、日本の真ん中でお互いを引っ張り合っているような構図が日本の地勢に緊張感をもたらしている――
とまで言うのは、言い過ぎかも知れませんが。


なにはともあれ、富士山に迫る標高を有していたこの山が打ち砕かれ、八つの峰に裂けて様々な変化と個性を与えられたのは天の配剤と言うものでしょう。登山の魅力が段違いです。(富士山は富士山でまことに「らしい」のですが)

なお、八つの峰があるので八ヶ岳、と言うようですが、その八つの峰がどれかというと諸説あるようです。『日本百名山』(深田久弥)では「西岳・編笠山・権現岳・赤岳・阿弥陀岳・横岳・硫黄岳・峰ノ松目」を挙げています。
もっとも、一般的には長野県と山梨県に跨る広大な山域全体が「八ヶ岳」。

八ヶ岳から富士山を見よう!



赤岳・阿弥陀岳・横岳・硫黄岳・権現山・西岳・編笠山・三ツ頭からは富士展望があります。
硫黄岳・峰の松目、北八ヶ岳の山々からは富士山は見えません。赤岳の山体に隠されてしまいます。
八ヶ岳を日帰りで歩こう!



主峰・赤岳を日帰りしたいだけであったら、美濃戸の駐車場に車を置いてベタに文三郎尾根コースを往復。6時間50分・標高差1,200m……ただ、ベタ過ぎて物足りないと感じる人もいるかも知れません。赤岳東麓にも幾つか日帰りピストン登山可能な駐車場があるようですが、詳細は分かりません。
余裕があるなら、美濃戸から阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳の周遊コースを採りたいものです。これでも、10時間に収まります。さすがに登山道はよく整備されています。(冬は分かりませんが)

