
北信五岳はどれも個性的ですが、中でも妙高山は押しの強さでは1番かも知れません。火山カルデラが盆地側に開けて、抜きん出て高い中央火口丘が舞台のステージのようにも見えます。人々が目を留めるのも当然でしょう。
ちなみに北信と言いつつ新潟県の山。妙高戸隠連山国立公園の中心です。


頭一つ抜けているといった感の中央火口丘のてっぺんは、まさしく天然の展望台。全方位の展望が開け、南は富士山から北は日本海に浮かぶ佐渡島まで見えます。
アクセスも十分に良いのですが、ただ山頂近くに営業山小屋が無いので、この展望を得るには季節を選ぶ必要がありそうです。基本的には日帰りの山。


それと、火山にしては森林限界ギリギリまで緑が多い印象。岩稜の世界になるのは9合目を越えてからです。山上も草地が多く、噴火活動が落ち着いた山であることを感じさせます。もっとも南地獄谷付近では硫黄臭もして、山がまだ生きていることを実感させられます。
他に見所としては、カルデラ内の長助池の池塘とお花畑、光明滝や惣滝と言ったところでしょうか。登山口には燕温泉、赤倉温泉があり、自然歩道も多く通っています。せっかくのリゾート地、山頂に登って下りるだけでは勿体ない山と思います。

妙高山から富士山を見よう!


なにしろ富士山まで178kmという超遠望となりますので、運を味方にしなければ富士山を見ることは叶いません、というわけで私は夏に日帰りで登って、やっぱり駄目でした。
計算上は、富士山が見えるのは森林限界より上の9合目以上となります。山頂部以外となりますと、色々探ったのですが見えるところは、ほぼ無さそうです。大倉乗越でも角度が悪く、さらに外輪山には登山道すらほとんどありません。唯一、神奈山山頂付近からは綺麗に見えそうですが、検証する機会は無さそうです。
妙高山を日帰りで歩こう!
日帰りコース | 所要時間 | (登り/下り) | 累積高度 | 登降ピッチ | |
---|---|---|---|---|---|
1. | 山頂駅~大谷ヒュッテ~天狗堂~妙高大神~山頂 (1,256m) |
7時間15分 | 4時間15分 | +1218m -30m | +287m/h |
3時間 | -406m/h | ||||
2. | 燕温泉バス停/登山口駐車場~光明滝~天狗堂~妙高大神~山頂 (1,100m) |
8時間10分 | 4時間40分 | +1382m -42m | +296m/h |
3時間30分 | -394m/h | ||||
3. | 笹ヶ峰バス停/駐車場~富士見平~黒沢池ヒュッテ~大倉乗越~長助池分岐~山頂 (1,305m) |
10時間50分 | 6時間5分 | +1386m -227m | +292m/h |
4時間45分 | -394m/h |
H19/12/1 噴火警戒レベル1、活火山であることに留意
■気象庁 火山登山者向け情報 ≫


首都圏から日帰りがギリギリ可能です。たとえば東京駅を未明に発つと、妙高高原駅からバスで新赤倉三叉路バス停で下車して妙高高原スカイケーブル接続、ないし関山駅からバスで燕温泉バス停下車、どちらも朝9時半頃に登山口から歩き始めることが出来ます('22現在)
前者は最短コースですが、ロープウェイ運行時間が平日16時までですのでコースタイム7時間はややショート。健脚向きです。


後者は高低差、コースタイムとも1割ほど増しますが、ロープウェイ運行時間に縛られないので気分的に楽かも知れません。ただ、バスも最終を考えると行動可能時間は8時間半弱で、コースタイムになんとか収まる程度。余裕は無いでしょう。
一方でマイカー登山の場合、燕温泉早朝発で、帰りに燕新道を使う周回コースを採っても温泉で汗を流すことも出来ます。もっとも、マイカー組は笹ヶ峰駐車場利用での山上1泊山行が多いかも知れません。
