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(山行年'03)

飯豊山いいでさん

(2,105m)

鶴ヶ城
飯豊山を会津は鶴ヶ城より見る。大日岳(2,128m)~飯豊本山(2,105m)が尾根を張る。4月中旬で残雪豊富

山形・新潟・福島三県に跨る山塊、飯豊連峰。大地に根を生やすがごとく、どっしりと構えた山塊は鉄道も道路も通しません。難攻不落の城砦にも似ます。

山深さも相当なもの。高度2,000m前後の稜線を持ち、縦走を憧れられる山。残雪豊富で、花の山としても名高いです。



飯豊本山山頂
飯豊本山山頂。一等三角点が設置されている
お花畑
飯豊本山南斜面のお花畑。ニッコウキスゲなど咲き誇る

同じ磐梯朝日国立公園の山域に、同じような高さ、広さを持つ吾妻連峰がありますが、山としての雰囲気は180度違います。吾妻連峰が“陽”としたら、飯豊連峰は“陰”――福島盆地にほど近く、裏磐梯の北面にあって観光開発されている吾妻連峰に比べると、飯豊連峰は質実剛健、登山者の領域と言えるでしょう。

なお、飯豊連峰をの主要な山は3つ。飯豊本山、大日岳、北股岳です。最高峰は標高2,128mの大日岳。

飯豊山神社奥社
飯豊山神社奥社。いちおう、ここも福島県会津地方…
草履塚
草履塚(1,908m)。手前は御秘所。御前坂より見る

高度2,000m前後の稜線を複数持ち、山小屋も充実していて山泊縦走が盛んです。高度こそ低いのですが、東北アルプスの異名はダテではありません。雪渓やお花畑もあちこちで目に出来ます。ただし、その稜線まで登るのが大変。日本アルプスみたいにアクセスに便宜が図られていたりしません。

それに、残雪が多いとはいえ真夏の昼間はさすがに暑いです。なにかと体力を要求する山という印象。

チングルマ
チングルマの群生
コイワカガミ
コイワカガミ
タカネマツムシソウ
タカネマツムシソウ
ヒナウスユキソウ
ヒナウスユキソウ?
吾妻山から飯豊連峰
8月上旬の飯豊連峰。左のピークが最高峰の大日岳(2,128m)、右のピークがそれより少しだけ低い飯豊本山(2,105m)。西吾妻山から見る



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飯豊山を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 弥平四郎登山口駐車場~上ノ越~疣岩山~三国岳~種蒔山~草履塚~飯豊本山 
(693m)
15時間10分8時間30分+1,764m
-360m
+208m/h
6時間40分-265m/h
切合小屋
切合小屋。水が豊富
三国小屋
三国小屋は避難小屋
弥平四郎登山口駐車場
弥平四郎登山口駐車場
疣岩山
疣岩山(いぼいわやま)を松平峠付近より見上げる
雪渓
雪渓を歩く箇所も
ハクサンコザクラ
ハクサンコザクラ

日帰りの山ではありません。

――それでも、日帰りにチャレンジするとしたら。弥平四郎登山口、御沢野営場の登山口、大日杉の登山口あたりの駐車場が起点になるでしょう。もちろん、マイカーアプローチのみ可能で、公共交通機関は使えません。

そして、どの登山コースを使ったとしても累積高度差は1,700m以上になり、また春は残雪、夏は暑さ、秋は日の短さが障害となって、日帰りチャレンジをさらに困難にします。(多少コースを短縮する、川入りの北4kmの栗の沢沿いの駐車場が使えるかどうか興味があるのですが、情報不足)

ちなみに私は弥平四郎登山口を選択。朝4時半に出発したものの、夏バテを引きずって体調最悪、ペースが一向に上がらず、何度も敗退の2文字が頭を過ぎりましたが何とか飯豊本山に到達、14時間かけて登山口に戻ってきました。未だに“苦労した山行ワースト3”入りしています……。

種蒔山、七森、三国岳
左から種蒔山(1,791m)、七森、三国岳(1,644m)。七森のアップダウンが体力を削る。疣岩山より
飯豊稜線
左から大日岳、御西岳、飯豊本山という2,000m稜線だが、ピークは雲の中。疣岩山分岐より


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