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(山行年'04,14)

大山だいせん

(1,729m)

大山東壁
振子山付近より見た大山東壁。中国地方では、山をセン、と読ませることが多い
剣ヶ峰
最高峰・剣ヶ峰(1,729m)を弥山より見る。この先の登山道は崩壊しており、縦走禁止

山陰の独立峰、大山。中国地方でもっとも高い山は中国山地には無く、日本海にほど近い位置にあるこの山です。そのため、周囲からとても良く目立ちます。

なぜ、海際でこれほどの高さを有することが出来たかというと――火山だからです。地形を確認すると、大山が中央火口を取り囲む火山壁として峰を連ねているのが分かります。ただし、大山の外側を大きく取り囲んでいる筈のカルデラの判別は難しくなっています。

そして、火山であるがゆえに、この山には北アルプスにも似た険しさがあります。特に東、南、北は断崖になっていて登山者を阻みます。

三鈷峰
三鈷峰(1,516m)。手前、ユートピア小屋よりほど近いが、登山道は危険箇所あり

一方、西日本随一と言われる中腹のブナ原生林は素晴らしく、大山に来る目的の1つになっています。

さらに、ブナ帯を抜けると低木帯となって一気に大展望が広がることから、展望の山としても人気です。日本海はもちろんのこと、中ノ海・宍道湖から隠岐の島まで眺めることが出来ます。低山らしからぬ高度感です。

加えて、夏山登山道は良く整備されており、技術が必要なところもないため、ファミリー登山客、さらには外国人登山客の姿も多く見かけます。聞くところによると、国内に高山を持たない韓国からの登山客が多いとのこと。その見返りとして、シーズン中には登山道が混雑するのですが……。

大山弥山山頂
弥山山頂(1,710m)。地震で2m沈んだ
ダイセンクワガタ
岩間に咲くダイセンクワガタ
親指ピーク
親指ピーク。名は体を表す…

私は、この山には都合2度登っています。

一度目は新緑の季節。大山駐車場から大休峠、親指ピークを経由して、ユートピア小屋まで進み、いったん大堰堤へ下りて弥山に登り返りました。振子山から弥山までの縦走路は通行禁止になっているので苦肉のコース取り。

二度目は紅葉時期。バスで大山寺バス停に進み、あとは普通に夏山コースを使いました。下山は行者登山道を使いましたが、午後は影に入ることが多かったです。

ブナの黄葉
ブナの黄葉
大山寺参道
大山寺参道。奥に覗くのは三鈷峰の峰
伯耆富士
西から見る大山。伯耆富士とも

さらに、中国自然歩道を作って海抜0mの皆生海岸から大山駐車場まで登ったこともあります。

――その時に感じたのですが、大山は周辺地域も雰囲気が良いです。赤松あたりの里風景には癒されました。

大山北壁
こちらは大山北壁。天狗岳~剣ヶ峰~弥山の迫力ある稜線が間近に迫る。大堰堤より





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大山を日帰りで歩こう!

日帰りコース所要時間(登り/下り)累積高度登降ピッチ
1. 大山寺バス停・大山駐車場~(夏山登山道)~六合目避難小屋~弥山
(750m)
5時間10分3時間+947m
-12m
+316m/h
2時間10分-437m/h
2. 大山寺バス停・大山駐車場~大神山寺神社奥宮~二俣~大堰堤~六合目避難小屋~弥山
(750m)
6時間30分3時間50分+944m
-15m
+246m/h
2時間40分-354m/h
大山駐車場
大山駐車場。第一から第四まである
南光河原駐車場
南光河原駐車場。大山寺橋の脇にある
夏山登山口
夏山登山口。大山環状道路に面している
ブナの森
行者登山道、高度1,200m付近のブナの森
淵
大山北壁の淵を巡るように木道が延びる
大山キャラボク
山頂部のキャラボク純林。水際にホタルも舞うとか…

大山寺バス停へのバス便がJR米子駅、JR大山口駅から出ています。新幹線と特急やくもで大阪から3時間半ですので、阪神都市圏からなら日帰り登山も可能です。

マイカー利用の場合でも、大山寺バス停のある大山駐車場が起点になります。ここの駐車場は巨大なので、シーズン中でも溢れるということは無いでしょう。

登山コース最短は夏山登山道を辿るコースですが、変化を求めるなら大山寺と大堰堤を経由するコースも良いと思います。こちらは、いくつかの社寺・史跡に立ち寄ったり、大山北壁を真下から眺めたりと変化があります。行きと帰りで両者を使い分けるハイカーも多そうです。また、どちらのコースもブナ原生林を抜けていくので、新緑・紅葉の時期とも楽しめます。

一方、ユートピアコースは東側の大休峠から親指ピーク、象ヶ鼻を経由して三鈷峰を目指すコースです。ただし、山頂部には道は繋がっていません。私は象ヶ鼻から大堰堤へいったん下り、行者登山道を使って山頂へ登り返すコースを使いましたが、現在は砂すべりが一般コースから外れ、歩けないようです。

山頂から美保湾
山頂からは、鳥取県側の美保湾の先、島根県の中ノ海・宍道湖が眺め下ろされる。手前は大山頂上小屋

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