盾状の穏やかで広大な火山は、かつて“アスピーテ”と呼ばれていましたが、日本の溶岩はサラサラでは無いということで普通の成層型火山です。それにしても山頂部は開けていて広大、天気の良い日に歩くにはうってつけの山でしょう。
そして、とにかく花が多いという印象。チングルマやニッコウキスゲ、キンコウカ、ミヤマキンポウゲなどのお花畑は当たり前のように散在していますし、ハクサンフウロの群生なども見事です。そのなだらかな形状から冬はすっぽりと帽子のように雪を被り、春に一斉に溶け出すという理由もあるのでしょう、花を見るため登られて良い山です。もちろん、秋の草紅葉も見もの。
この山は出羽三山の1つであり、修験の山でもあります。最高地点には月山神社があって、石垣に囲われた境内に入るのにお祓い料¥500が必要、かつ境内は写真撮影が禁止です。このため月山最高地点の撮影は事実上不可能です。
――百名山踏破を目指すのも、ある意味、修験道かも知れません。こういう山もあると受け入れるのが良いでしょう。
他には、やはり阿弥ヶ原湿原が見所の1つでしょう。高層湿原であり、木道も渡って散策することが出来ます。月山8号目から直ぐなので、マイカーで訪れてここだけ巡るような観光客も見られます。庄内平野から日本海、鳥海山や奥羽山脈への展望も申し分なく、避暑に選ぶ地としては有力な選択肢になると感じます。
また、山形平野側の姥沢には、少し下に月山湧水群があってこちらも散策できます。
そして、出羽三山の最高峰ということで残り2山も足を運びたいところ。
湯殿山はじつは月山の中腹にあり、月山登山道の登山口にもなっています。こちらから登れば、2山を踏むことが出来ます。
そして羽黒山は月山の北方12kmにある標高400mあまりの低山。月山まで縦走するのは厳しいでしょう。ただし、鶴岡駅から月山8号目行きバスでは羽黒山山頂に立ち寄る便が多くありますので、狙うならバス利用が良いでしょう。
月山を日帰りで歩こう!
日帰りコース | 所要時間 | (登り/下り) | 累積高度 | 登降ピッチ | |
---|---|---|---|---|---|
1. | 月山ペアリフト上駅~牛首下分岐~牛首~山頂 (1,510m) |
3時間40分 | 2時間 | +506m -45m | +253m/h |
1時間40分 | -304m/h | ||||
2. | 月山ペアリフト上駅~姥ヶ岳~牛首~山頂 (1,510m) |
4時間10分 | 2時間20分 | +539m -70m | +231m/h |
1時間50分 | -294m/h | ||||
3. | 月山八合目バス停/駐車場~御田原参篭所~佛生池小屋~山頂 (1,390m) |
5時間40分 | 3時間 | +585m -2m | +195m/h |
2時間40分 | -219m/h | ||||
4. | 湯殿山神社バス停~湯殿山神社~装束場~金姥~牛首~山頂 (1,050m) |
7時間10分 | 4時間 | +928m -11m | +232m/h |
3時間10分 | -293m/h |
日帰り前提の山だと思います。
登山コースは、姥沢からリフトを使って登って来る人が一番多いように感じました。なんといっても、リフトを下りたら森林限界の上、お花畑が広がる展望地というのは素晴らしいです。そこから山頂までも。高度差500m弱、2時間という低山ハイクのような感覚で2,000m級の高山を漫遊出来ます。コストパフォーマンスが高いと言って良いでしょう。
反対側の月山8号目から山頂を目指すコースも、距離は長くなりますが劣らず人気は高いです。阿弥ヶ原湿原に立ち寄ることが出来ること、山小屋が複数個所あることが魅力を高めているのでしょう。急勾配もほとんどなく、お花畑や設計を目にしながらゆっくり登ることが出きる好コースです。
それ以外のコースは、残念ながら分かりません。